研究課題/領域番号 |
20K18600
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高岡 亮太 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (20733968)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 変形性顎関節症 / 遺伝的素因 / 遺伝 / 一塩基多型 / 顎関節症 / 遺伝子多型 / リスク遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性顎関節症(TMJOA)は,顎の関節の変形により痛みや運動障害が生じる疾患である.TMJOAの発症の原因は十分に明らかにされておらず,発症を予知することができないのが現状である.一方で,全身のその他の関節における変形性関節症においては遺伝的要因の関与が報告されている.TMJOAの発症においても遺伝的要素が関与している可能性はあるが,今まで関連する遺伝子についての報告はない. そこで本研究では,TMJOAに関与する遺伝子を探索し発症のメカニズムを明らかにするとともに,これらの遺伝的因子を指標とした治療前のリスク予知法および予防法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
膝関節や股関節等における変形性関節症(OA)の発症に関与する遺伝子多型が多数報告されているが,顎関節(TMJ)においては画像検査が大きな障壁となり,これまでTMJOAと遺伝的要因を調査した研究は存在しなかった.本研究では多変量解析により,TMJOAとの強い関連が報告されている年齢,性別,関節円板動態異常の影響を調整した上でも一塩基多型(rs8044769)とTMJOAの関連が明らかとなり,復位性円板転位の発症をきっかけとして,FTO遺伝子がTMJOAの発生を促進する可能性が示唆された.本研究はTMJOAと特定のSNPの関連を示唆した初めての研究である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療効果を左右し,変形性顎関節症の将来につながるリスク遺伝子の同定は,患者の遺伝的素因に合った最適の治療法を選択し,提供するための術前診断技術に繋がるものと期待される.さらに,変形性顎関節症の進行を加速させるをリスク遺伝子が明らかにされると,進行を予防するための治療薬が開発・立案されるための一助となる.今後,本研究の研究結果をもとに遺伝学的なアプローチによる研究が発展し,変形性顎関節症の術前のリスク診断を可能にするだけでなく,テーラーメイド治療の実現も可能になるのではないかと期待している.
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