研究課題/領域番号 |
20K18631
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
村上 和裕 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60804490)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 高齢者歯科 / 摂食嚥下 / 食品工学 / 顎口腔機能学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,高齢化に伴い食品の安全性に対するニーズは高まっている.摂食嚥下(噛む,飲み込む)に問題のある高齢者への安全な食事の提供は必要不可欠であるが,食事の提供基準は医療者や介助者の主観的な経験と試行錯誤に大きく依存しており,客観的指標がない.そこで,健康な高齢者を対象として,噛む力や舌の力などを測定し,5種類の硬さの食品を摂取してもらい,食べやすさや飲み込みやすさを客観的に評価することを計画している.測定によって得られる生体データから,どれくらいの口の機能を持つ人がどのような食品が食べやすいかという関係性を明らかにする予定である.
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研究成果の概要 |
本研究は,食品を摂取する対象者の口腔機能と食品の機械的特性が食品の摂食嚥下時の生体データに与える影響を明らかにすることを目的としている.健常若年者と健常高齢者計44名の食品嚥下時の舌圧(舌が口蓋に押し付ける接触圧)測定と筋電図測定を行い,舌を口蓋に押し付けて食品を摂取する際,対象者の最大舌圧(舌を最大限に口蓋に押し付ける圧力.口腔機能の一つ)の大きさが嚥下までの押し潰しの回数や一回一回の舌圧の大きさと関連があることや,最大舌圧と舌で破砕可能な食品の硬さは正の相関関係にあることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,高齢化に伴い,摂食嚥下障害者のための介護食の開発や提供が発展してきた.その結果,歯による咀嚼以外にも舌のよる押し潰しや歯茎での押し潰しといった代償的な咀嚼を考慮する必要が出てきた.しかし,これら代償的な咀嚼に関しては不明な点が非常に多い.本研究で得られた「最大舌圧は舌押し潰し嚥下時の舌押し潰し行動に影響を与える」という知見は,食品の摂食嚥下様相を口腔機能から予測できることを示唆し,今後,摂食嚥下障害を有する高齢者に対して,摂食嚥下能力に応じた介護食を提供する際に有益な基礎的知見になると考えられる.
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