研究課題/領域番号 |
20K18632
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東山 亮 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (50781663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ブラキシズム / 脳波 / 麻酔 / 心拍数 / 呼吸数 / 睡眠 / 顎運動 / 睡眠時ブラキシズム / 麻酔薬 / 睡眠脳波 / ウレタン |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠中の歯ぎしりは、歯の咬耗や破折や顎関節症、歯科治療物(インプラント、義歯など)を生じさせると考えられている。歯ぎしりは睡眠の変化に応じて発生することがわかっているが、発生原因は不明で、治療方法は確立していない。 我々は、自然睡眠と似た脳波活動の変化を示す麻酔薬を用いた動物が、歯ぎしりを示すことを見出した。そこで本研究は、この新しい動物実験系を用い、歯ぎしりの発生と各脳部位の活動性の変化や、その相互の関係性を解析することによって、歯ぎしり発生にいたる脳内の仕組みを明らかにする。
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研究成果の概要 |
睡眠中の歯ぎしりのメカニズムを解明するための動物モデルとして、麻酔下においてリズミカルな顎運動を示す実験動物を活用して、顎運動の特性や、顎運動発生に伴う生理学的機序の解析を行った。ケタミン投与後の動物では、徐波活動の減衰に伴い心拍数や呼吸数が漸増し、開口筋優位のリズミカルな顎運動が発生した。一方、ウレタン投与下においては、閉口筋活動優位で歯ぎしり様のリズミカルな顎運動が発現、呼吸数の増加、脳波のα及びγ帯域の活動の増加を伴っていた。したがって、麻酔の無意識状態においてリズミカルな顎運動が発現する生理的条件として、脳波活動変動だけでなく自律神経系の活動の変化が関わることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
睡眠中の歯ぎしりのメカニズムは未だ不明である。今回の実験では、麻酔を用いた実験系を用いて、睡眠様の脳波活動の変動中に生じるリズミカルな運動の発現特性について解析を行ったところ、リズミカルな顎運動の発現が、脳内全体の活動バランスのみに依存しているわけでないことが示唆された。その一方で、覚醒脳波の出現や呼吸数の増加を伴うことから、リズミカルな顎運動の発現には、脳幹を中心とした皮質下の活動亢進も重要である可能性が示唆された。したがって、睡眠時ブラキシズムの歯ぎしりをはじめとする無意識下で生じるリズミカルな顎運動の発現機序の解明に有用な知見が得られた点で学術的意義がある。
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