研究課題/領域番号 |
20K18634
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小山 絵理 岡山大学, 大学病院, 医員 (60779437)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 歯学 / 口腔内細菌 / 慢性腎臓病 / 感染シャント / 16sRNA |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに,口腔内の悪環境が透析シャントの感染の原因と推測し研究を進め,①口腔内細菌叢と感染シャント細菌叢が類似すること,②口腔内特異的な細菌叢が感染シャント部に存在するという事実を掴んだ.本申請研究ではこれまでの研究成果を基盤に,シャント感染の起因菌を同定し,口腔内細菌のシャント感染経路を明らかにすると共に,前向きコホート研究により,透析患者の栄養状態と密接に関連する咀嚼機能や,遠隔感染源としての歯周疾患等の口腔内環境が,本疾患の病態悪化や感染症発症とどのように関連するかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
本邦の慢性腎臓病(CKD)患者は年々増加し,その死亡率の高さや透析による医療費の高騰が社会問題になっている.このCKD患者の増加の背景には,糖尿病性腎症の増加があるとされており,糖尿病による全身的な易感染状態が透析患者の背景にあると考えてよい.その結果,透析患者の主要な死亡原因(第2位)が感染症であり,その一端として透析患者の血管確保のために設けられるシャント感染の合併症が挙げられる.申請者はこれまでに,口腔内の悪環境が透析シャントの感染の原因と推測し研究を進め,口腔内細菌叢と感染シャント細菌叢が類似すること,口腔内特異的な細菌叢が感染シャント部に存在するという事実を掴んだ.本申請研究ではこれまでの研究成果を基盤に,シャント感染の起因菌を同定し,口腔内細菌のシャント感染経路を明らかにすると共に,前向きコホート研究により,透析患者の栄養状態と密接に関連する咀嚼機能や,遠隔感染源としての歯周疾患等の口腔内環境が,本疾患の病態悪化や感染症発症とどのように関連するかを明らかにすることを目的に研究を進めてきた. 2020年度は,新たな透析患者のサンプリングを行うために倫理関係の準備を進め,患者の残存歯,歯周状態等の口腔内状態を把握し,患者データをまとめた.2021年度および2022年度はこれらの患者を追跡して調査を行い,感染経路の同定も含め解析を進める予定であったが,コロナ窩で研究の進行に遅れが生じ,解析まで至っていない.2023年度はこれまでの予定であった調査の継続および解析を行う予定である. 本研究の発展は,CKD患者や透析患者における歯科治療の重要性を提唱し,彼らの生命予後やQOLの改善に強く貢献できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究協力病院の腎臓内科に通院中の慢性腎臓病患者の口腔内を調査し,情報収集が必要不可欠であるが,近年の新型コロナウイルス感染症の蔓延により,重症化のハイリスクである患者らへのウイルス感染を予防するため,診査ができず調査が中断している状態である.
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究を継続して行い,透析患者の栄養状態と密接に関連する咀嚼機能や,遠隔感染源としての歯周疾患等の口腔内環境が,本疾患の病態悪化や感染症発症とどのように関連するかを明らかにする.
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