研究課題/領域番号 |
20K18642
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
菅原 志帆 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (20804363)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | インプラント周囲炎 / ナノチタニア / LPS / 細胞内シグナル伝達 / 炎症性サイトカイン / Porphyromonas gingivalis |
研究開始時の研究の概要 |
インプラント周囲炎に対しては確立された診断法と治療法が無く、現在の治療の多くは歯科医師の経験によるものが多い。そこで、本研究では、ヒト歯肉上皮細胞に対しPg-LPSとインプラント治療の過程で出る可能性のあるナノチタニア粒子を作用させ為害作用を調べる。さらに、LPSやナノチタニアがインプラント周囲に炎症を引き起こすシグナル伝達回路の詳細も解明する。もし、この伝達経路の詳細が明らかとなれば、その遮断方法の検討も現実的なものとなり、阻害薬/遮断薬の開発に資し、インプラント周囲炎の治療法の確立につながると考える。これは、インプラント周囲炎で苦しむ多くの患者に対する治療の一助となり得る。
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研究成果の概要 |
インプラント周囲炎の増悪因子を探索するため、ナノチタニアとPgLPS添加による歯肉上皮細胞(Ca9-22)の炎症応答性について検討を行った。PCRおよびELISA法により、IL-6、IL-8は、ナノチタニア添加で有意に増加し、PgLPSによってさらに増加した。IL-11も、ナノチタニア添加で有意に増加した。また、免疫蛍光染色により、IL-13α2受容体の発現が増加し、IL-13の刺激によりTGF-β1の発現が増強されることが確認された。以上より、ナノチタニアはインプラント周囲の骨吸収の進行を促進する可能性があり、歯周病原性細菌の存在により病態を悪化させる可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インプラント周囲炎に関して、生物学的因子の観点から考察した論文は非常に多く報告されているが、材料学的因子から考察したものは少なく、インプラント周囲に炎症を引き起こす伝達回路の詳細も解明されていない。それ故に、インプラント周囲炎に対する確立させた診断法と治療法は無いのが現状である。もし、この伝達経路の詳細が明らかとなれば、その遮断方法の検討も現実的なものとなり、阻害薬/遮断薬の開発に資し、インプラント周囲炎の治療法の確立につながり、インプラント周囲炎で苦しむ多くの患者に対する治療の一助となり得る。また、インプラント治療の長期安定性に寄与することができ、社会的貢献度は大きい。
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