研究課題/領域番号 |
20K18662
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大川 加奈子 (栗原加奈子 / 栗原 加奈子) 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30844493)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 舌圧 / 口唇圧 / 頬圧 / 嚥下 / 同時測定 / 骨格性開咬症 / 定量的評価 / 口唇 |
研究開始時の研究の概要 |
顎変形症に対する外科的矯正治療は、術後の長期安定性に配慮した医療の提供が必須である。特に、矯正歯科治療の診断や方針立案時には、術後の長期経過およびQOL改善に大きく関与する舌や口唇・頬部軟組織などの機能的要因についての詳細な検討が必要である。しかしながら、嚥下時の舌と口唇・頬部軟組織の運動様相について定量的評価法は確立されていない。そこで本研究では、骨格性開咬症の嚥下時における舌および口腔周囲軟組織の機能的特徴と連動様相の解明を目的に、①舌圧と口唇・頬圧の同時測定法の確立、②骨格性開咬症における舌圧と口唇・頬圧の同時測定データの解析、顎顔面形態と機能的連動性との関連を検討することとする。
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研究実績の概要 |
顎顔面領域の形態的・機能的改善を目的とした顎変形症に対する外科的矯正治療では、術後の長期安定性に十分配慮して治療計画を立案することが必須である。 また、矯正歯科治療の診断や治療方針立案時には、術後の長期経過およびQOL改善に大きく寄与する舌や口唇・頬部軟組織などの機能的要因についての詳細な検討が必要である。 骨格性開咬症は顎骨や歯列の著しい垂直的異常とともに、顎口腔機能の低下を示すことが多い。外科的矯正治療の開咬の再発率は約20%との報告もあり、その病態は顎変形症の中でもとりわけ難治性と考えられている。骨格性開咬症の嚥下機能は、顎骨の不調和に起因し健常者とは異なる軟組織運動様相を示すと考えられる。しかしながら、骨格性開咬症の嚥下機能を舌や口唇・頬部軟組織の運動という観点から同時に検討した定量的評価は少なく不明な点が多い。 本研究では、骨格性開咬症の嚥下時における舌および口腔周囲軟組織の機能的特徴と連動様相を解明することを目的に、舌圧と口唇・頬圧の同時測定法の確立、次に、骨格性開咬症における舌圧と口唇・頬圧の同時測定データの解析と顎顔面形態と嚥下機能の連動性との関連を検討することとした。 2023年度は、嚥下時における舌圧と口唇圧・頬圧の測定機器における同期方法を検討し、同時測定法の確立に向けて、主に個性正常咬合者におけるデータ採得、解析を行った。また、口唇圧・頬圧の測定部位の検討、ならびに測定時の咬合や口唇閉鎖を極力妨げず、装着時の違和感が少ない装置の設計について検討を重ねた。嚥下時の舌圧発現様相および口唇圧・頬圧の発現と密接に関わる顎顔面筋群筋活動について検索し、得られた研究成果は学会発表および国際誌において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
舌圧および口唇圧・頬圧の測定機器の同期方法、口唇圧・頬圧の装置の設計・作製にさらなる検討を要したこと、COVID-19の影響、および測定機器の接続不良などにより、データ測定が計画通りに行えない状況が続いた結果、当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
個性正常咬合者のデータを集積し、舌圧と口唇・頬圧の同時測定法を確立する。次に、骨格性開咬症における舌圧と口唇・頬圧の同時測定、データ解析を行う。 骨格性開咬症と健常者のデータを比較することで、骨格性開咬症の嚥下運動について特徴の抽出を行う。さらに、顎顔面形態の分析として、矯正歯科治療の診断のために中心咬合位で撮影された側面および正面頭部エックス線規格写真をトレースし、角度・距離計測を行う。また、上下顎歯列模型分析を行う。
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