研究課題/領域番号 |
20K18663
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 夕子 (原夕子) 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (80827676)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | がん関連線維芽細胞 / 口腔がん / 浸潤 / OCT(光干渉断層撮影) / 非侵襲解析 / CAF / 口腔癌細胞 / 3Dモデル / OCT / 画像解析 / 3Dイメージング / 口腔癌 / in vitroモデル / 非侵襲的評価 |
研究開始時の研究の概要 |
癌の浸潤に重要な役割を担うとされるがん関連線維芽細胞(CAFs)を組み込み癌微小環境を再現した3次元培養モデルは、口腔癌で報告はない。また、モデルの評価方法は固定・染色した組織学的評価に留まり、経時的かつ非侵襲的に評価する方法は確立されていない。本研究は口腔癌細胞とCAFsの相互作用による癌浸潤を解析し、3次元口腔癌モデルと光干渉式断層撮影システムを用いて、経時的・非侵襲的・定量的に3次元レベルで癌浸潤を評価する方法を確立することを目的とする。CAFsの機能解析や癌細胞・CAFs相互作用を標的とした薬剤感受性の解明の新たな視点となり、新規治療ターゲットの開発と治療効果の評価方法に貢献できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、我々のプロトコールで癌関連線維芽細胞(CAF)または正常口腔線維芽細胞(NOF)をコラーゲンゲルに組み込んだ3次元口腔がんモデルを作製した。これらに対し、OCTを利用し、経時的かつ非侵襲的に癌細胞の間質への浸潤を撮像することが可能であった。さらに、OCT画像をHE染色像と比較することで、3次元モデルにおける癌細胞の浸潤も、経時的に評価することが十分可能であった。具体的には、CAFモデルでは間質内へ癌細胞が浸潤する傾向があるのに対し、NOFsモデルでは明らかではなかった。以上より、OCTは3次元モデルにおいて、癌細胞の浸潤と経時な変化を評価するのに有効なツールであることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔がんの治療成績の向上のため、新たな治療戦略の開発は喫緊の課題である。癌の悪性度を左右する浸潤能は癌細胞自身が有する遺伝的、生物学的因子だけでなく、癌微小環境に存在するCAFの影響を受けると考えられ、癌微小環境における相互作用に注目することは新規治療ターゲットの開発に有用である。申請者のラボで確立した、口腔がん3次元モデルはCAFをターゲットした癌微小環境に対する研究ツールとして有用であると考えているが、これにOCTを適用したところ、画像解析評価により経時的な癌浸潤像の観察が可能で、OCTの利用可能性が証明された。OCT画像に加え、深層学習法を適用することで、さらに定量的評価も可能となる。
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