研究課題/領域番号 |
20K18671
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
緒方 謙一 九州大学, 大学病院, 助教 (30778858)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エクソソーム / 抗炎症作用 / マイクロRNA / シェーグレン症候群 / 歯髄幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
シェーグレン症候群(SS)は自己免疫疾患の一つであるが、ドライマウスやドライアイを主症状とするため、歯科を初診で来院することも多く、受診する患者も年々増加している。しかし、自己免疫疾患の根本的治療はいまだ確立されておらず、対症療法としてのステロイドや免疫抑制剤の長期投与による骨粗鬆症や糖尿病などの副作用が問題となっている。 そこで本研究では、免疫を押さえる作用ががより高いとされている歯髄幹細胞の培養液から細胞外小胞(タンパク質や遺伝情報を含む数十~数百ナノメートルのサイズの小胞)を抽出し、それらがリンパ球に対してどのように作用するかを確認する。それによって新たな治療開発の足掛かりとする。
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研究成果の概要 |
近年、培養上清中に含まれるエクソソーム(Exo)が、細胞間コミュニケーションに重要な役割を担うことが報告されてる。Exoを投与することで抗炎症作用などの治療効果をもたらすことが期待されている。そこで、ヒト骨髄間葉系幹細胞エクソソーム(BMMSC-Exo)およびヒト歯髄幹細胞エクソソーム(DPSC-Exo)をシェーグレン症候群(SS)モデルマウスに投与し、治療効果の比較検討した。 結果は、DPSC-Exoを実験動物に投与した群の方がより刺激時唾液分泌量が増加しており、リンパ球浸潤も減少していた。よって、DPSC-Exoの投与が新たなSSの治療法となりうる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シェーグレン症候群は、中年女性に好発する涙腺・唾液腺を標的とする自己免疫疾患であり、涙液・唾液の減少を引き起こす。現在までシェーグレン症候群に対する根治的治療法がないのが現状である。 ヒト歯髄幹細胞は他の幹細胞より豊富に免疫抑制効果のあるエクソソームを含んでいることがわかっている。そのエクソソーム中に抗炎症効果のあるマイクロ(mi)RNAが含まれており、現在までいくつか候補を絞っている。候補のmiRNAが病態抑制効果に関与しているかをさらに検証し、制御している遺伝子やタンパク質を同定することで、創薬研究につなげることができると考えている。
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