研究課題/領域番号 |
20K18676
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮本 大模 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (10571680)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線性口腔粘膜炎 / Platelet Rich Plasma / 非吸収性液状機器 / 放射線性口腔粘膜園 / 口腔細菌 / PRP |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではMyeloperoxidase(MPO)依存性の口腔粘膜炎重症化の機序を明らかにし、MPO増加抑制効果を持つPlatelet-Rich Plasma(PRP)を用いて口腔粘膜炎の新しい治療モデルを開発することで、最終的に頭頸部がん患者の生活の質を高めることをめざす。具体的には、放射線誘発口腔粘膜炎ラット舌モデルにおいて物理的保護効果だけをもつエピシルを用い、物理的保護が口腔粘膜炎の重症度を抑制する機序を解明する。さらに、PRPの抗炎症効果を検証し、動物実験の結果をふまえ、放射線治療を受ける頭頸部がん患者に対してPRPを用いた臨床試験を行う。
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研究実績の概要 |
令和4年度は昨年度に実施予定であった放射線によって引き起こされた口腔粘膜炎へのエピシル口腔溶液による作用の解析を行い、エピシル口腔溶液が組織内サイトカインの放出を低減させる抗炎症効果を直接発揮するかについての解析を行った。昨年度のような新規動物購入が妨げられる可能性などを考慮し、また動物愛護的な観点から、これまでに採取した放射線性口腔粘膜炎ラット舌モデルの病理組織標本を用いて抗炎症マーカーを使用した組織免疫化学染色を実施した。抗炎症マーカーについては活性酸素やNF-kBなどを用いた。その結果、放射線によって引き起こされた口腔粘膜炎組織内の活性酸素やNF-kBなどについては増加が見られず、局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材である、エピシル口腔溶液はそれ自体による抗炎症効果は確認できなかった。 この結果からエピシル口腔溶液を用いて口腔粘膜炎の炎症部分にPlatelet Rich Plasmaを貼付した際に抗炎症効果を認めた場合は、放射線によって引き起こされた口腔粘膜炎の炎症部分にPRPによる抗炎症効果を発揮したと予測されるため、今後まずは基礎研究において放射線性口腔粘膜炎ラット舌モデルを用いてPRPの抗炎症効果を確認する予定である。 まずはエピシル口腔溶液がPRPの維持に耐えうるかを検討し、もしエピシル口腔溶液によるPRPの維持が困難な場合は、別の方策としてエピシル口腔溶液の他にも口腔内用フィルムを用いたPRP貼付での臨床応用についても検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
放射線による分子生物学的な影響は多岐に渡り、標的とする炎症性マーカーなどの選定に時間を要した。また、口腔内用フィルムの進捗状況や条件検討に時間を要したため、研究進行に大きく影響を与えた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究に関しては臨床応用に向けて、まずはエピシル口腔溶液がいかにPlatelet Rich Plasma(PRP)を口腔粘膜炎部に維持させるかについてを検討する。さらにPRPの維持にエピシル口腔溶液用いた場合に抗炎症効果を発揮するかを確認した上で、動物実験により適切な貼付方法、貼付回数等を検討し、基礎研究での結果が得られ次第、臨床応用へ向けた臨床試験を計画する予定である。
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