研究課題/領域番号 |
20K18684
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
島田 泰如 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 歯科口腔外科医師 (50751757)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 造血器腫瘍 / 造血幹細胞移植 / 口腔 / 有害事象 / リスク因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国立国際医療研究センター病院 歯科・口腔外科を受診した造血器腫瘍患者(多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、白血病、骨髄異形成症候群)を対象として、造血幹細胞移植 Hematopoietic Stem Cell Transplantation(以下、HSCTとする)が施行された後に生じた口腔内に限局した有害事象および口腔内感染巣を起因として全身に波及した有害事象の発症状況を調査する。また、これら有害事象のリスク因子を統計学的に解析する。HSCT施行前後の診療録からデータを抽出する後方視的観察研究として行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、造血幹細胞移植患者における口腔関連有害事象の発症状況の調査とそのリスク因子の探索に加え、造血幹細胞移植前に口腔内感染巣の根治的除去として施行される抜歯術の有効性を文献的考察を加えながら検証した。 本研究より、造血幹細胞移植後に継続的な口腔ケアを受けていない症例や造血幹細胞移植後の好中球数が低値 (<500/μL) である期間が長い症例では口腔内有害事象を生じやすく、後者ではさらに敗血症リスクも高くなる可能性が示唆された。 抜歯術に関しては、その必要性と時期について歯科医師と血液内科医の間で十分に議論した上で、積極的に実施されるべきであると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫力低下に伴い、齲蝕や歯周炎などの口腔内感染巣は敗血症など全身への有害事象として波及することがある。抗悪性腫瘍薬投与や造血幹細胞移植などにより経時的な骨髄抑制が懸念される造血器腫瘍(多発性骨髄腫、白血病、悪性リンパ腫など)を有する患者に対しては未然に口腔内のスクリーニングを行い、感染巣を根治的に除去するために必要に応じて抜歯術を行うことの有用性、そして造血幹細胞移植後も継続的に口腔内の評価を行うことの有用性を本研究で示すことができた。
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