研究課題/領域番号 |
20K18737
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森田 麻友 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 非常勤講師 (30624639)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 骨代謝 / VD3 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、VDと骨に対する研究において、破骨細胞を骨に近づけないようにすることで骨吸収を抑制していると報告された。VDの生理的作用は、多岐にわたるが、我々は、炎症性の骨破壊疾患に着目をした。口腔内は、細菌に常に触れている場所であり、急性・慢性問わずほとんどの人が一生の間に口腔内に炎症性の疾患を罹患する。顎骨の骨破壊が起こると審美性、食事の 摂取などを含めた機能性を損ない、QOLが著しく低下をする。VDもしくはその前駆体EDが治療に使用することができれば、これまで既に臨床に使用させていた薬剤を、炎症性骨破壊疾患の治療として使用できる可能性が考えられた。
|
研究成果の概要 |
顎顔面外科領域では、口腔内疾患に伴う骨吸収や骨破壊が多く見られる。特に、ビスホスホネート製剤の使用による顎骨壊死は深刻な問題である。本研究では、マウス実験において、ゾレドロン酸投与中に行われた歯の抜歯が顎骨壊死を誘発することが明らかになった。さらに、特定の薬剤(VD3やED71)の投与が顎骨壊死の発症を阻害する可能性が示された。これらの結果から、VD3やED71の投与が、ゾレドロン酸治療中の患者における歯の抜歯による顎骨壊死の予防に有効である可能性が示唆された。今後の臨床研究によって、これらの治療法の有効性と安全性が確認されることが期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、VDの抗炎症作用が注目されおり、免疫調整、抗炎症作用などの作用もあることが既に報告されている。VDやその誘導体エルデカルシトールは、くる病骨軟化症、骨粗鬆症などの治療として広く用いられている。しかしながら、炎症性の骨破壊性疾患においてのVDの作用については、解明されていない点も多かった。研究では、炎症を伴骨破壊性疾患に対するVDの分子メカニズムを解明した。VDやその誘導体は既に臨床において用いられていることから、口腔顎顔面外科領域における抗炎症性作用の機序を解明したことで、今後、その適応を広げ、口腔外科学領域の炎症性疾患においても、新たな治療の可能性を導けると考える。
|