研究課題/領域番号 |
20K18741
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
辺見 卓男 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20814883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 癌微小環境 / 早期悪性病変 / 異型上皮 / 間質応答 / 腫瘍性異型 / 反応性異型 / 腫瘍間質 / 口腔粘膜間質オルガノイド / 口腔 / 病理組織診断 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔は外来刺激にさらされやすく,口内炎に代表される「自然に治る」病変の頻度が高い。将来がんになる可能性の高い「自然に治らない」病変のうち,初期のものは組織変化に乏しく,一見して口内炎との判別が難しい。そのため,口腔粘膜病変全体の中から「自然に治らない」(=腫瘍性の)粘膜変化をいかに的確に病理診断するかは早急に解決すべき重要な課題である。本研究では,反応性(炎症性)粘膜と腫瘍性粘膜の分子病理学的な差異を実験系および外科手術検体を用いて探索し,両者を鑑別しうる病理診断基準を策定する。
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研究成果の概要 |
口腔粘膜が癌化する過程では、異型上皮の出現に伴って間質にも形質・構造の変化が生じる。本研究では、異型上皮と間質細胞間の相互作用(上皮-間質クロストーク)の実態を明らかにする目的で、初期の粘膜表在性病変を対象として上皮異型形質と間質要素の関連性を検証した。舌表在性病変の組織解析により、異型上皮における癌抑制遺伝子p53分子の発現様式が異なること、また、健常上皮から異型上皮へ移行する領域において粘膜在住の抗原提示細胞の分布局在が変化することを明らかにできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌の罹患者数は、特に高齢化が加速する本邦においては増加傾向にあり、早期転移での死亡率が高い現状からも早期発見につながる診断指標の検索が急務である。本研究の成果は、癌抑制遺伝子p53発現を病変領域全体の発現様式から捉えることにより癌形質を区別しうること、また、初期の表在性病変において周囲の間質環境に微小変化をきたしていることを示した。これらの知見は、早期病変の診断指標となるとともに、治療戦略を講じるうえで重要と考えている。
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