研究課題/領域番号 |
20K18747
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
千葉 雄太 九州大学, 歯学研究院, 助教 (10821986)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯の発生 / Gタンパク質共役型受容体 / 歯の石灰化 / エナメル質 / 細胞外環境 / 細胞外pH / エナメル芽細胞 / 石灰化機構 / pH制御機構 / 外胚葉性器官 / 象牙芽細胞 / 石灰化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の歯の再生技術の進歩により人工歯胚を構成し、石灰化させることが可能となってきたが、人工歯胚作成の効率化が当面の課題である。当研究室では今までに機能の報告が全くない、いわゆるオーファン受容体であるGpr115が歯胚に高発現であり、エナメル質及び象牙質の石灰化に関与することを発見した。 本研究では、Gpr115の歯の発生における機能解析を行うことにより、歯の石灰化に関わる今までに明らかとなっていなかった新規機序の発見、およびGpr115を活性化させるリガンドの探索を行い、歯の石灰化促進法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
歯の発生は、組織特異的な遺伝子群が発生段階に応じて制御されることで進行していく。我々は歯の発生に関わる新規の分子機構を解明するため、歯胚に高発現であり、かつ機能が不明である遺伝子の同定と機能解析を進めている。本研究では、今までに機能やリガンドが明らかとなっていない、いわゆるオーファン受容体であるGタンパク質共役型受容体(GPCR)Gpr115の歯の発生過程における機能解析を当初の目的とした。 Gpr115欠損マウスでは低成熟型エナメル質形成不全が認められたことより、Gpr115は歯の石灰化に重要な分子であることが明らかとなったが、その一方で、このマウスに認められたエナメル質の欠損は軽微であった。このことから、類似の機能を有する分子がGpr115の機能を補償しているという仮説を立て、令和4年度ではGpr115と同じGPCRのグループに属するGpr111の歯の発生過程における機能解析を行なった。 Gpr111は進化学的にGpr115より派生した重複遺伝子であり、Gpr115と同様に成熟期のエナメル芽細胞に高発現であった。Gpr111欠損マウスを作成し、歯の表現型を解析した結果、低成熟型エナメル質形成不全を示すことが明らかとなった。このことから、Gpr111はエナメル質の石灰化に重要な遺伝子であることが示唆された。 本研究で得られた知見により、エナメル質石灰化を制御する新規の分子機構が明らかとなった。これまでGpr115の機能は不明であったため、本知見はGpr115の脱オーファン化の第一歩となるとともに、歯に特異的な発現を示すGpr115を標的とした、エナメル質石灰化を制御する試薬創出につながる発見となった。
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