研究課題/領域番号 |
20K18776
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小笠原 毅 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (50844669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 歯科矯正学 / 矯正学的歯の移動 / 骨代謝 / 有限要素解析 / メカノバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
歯の矯正学的移動において、歯根膜は歯に負荷された荷重を受容し、骨細胞などの歯周組織構成細胞を刺激するメカノセンサーとしての機能が示唆されてきたが、荷重の感知・歯周組織改変などの生体応答機構の詳細は不明な点が多い。また未だ矯 正歯科臨床において荷重負荷が歯槽骨リモデリングに与える影響を予測し制御することは不可能である。本申請ではラットを用いたin vivoの実験系と有限要素解析にて、歯の移動実験を同時に行い、両実験結果を統合解析することで、歯槽骨リモデリングの制御機構を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
組織切片においては、1-3日のいずれの待機期間においても、歯根膜周囲の骨表面は粗造で、TRAP陽性細胞が圧迫側及び牽引側の歯根膜に沿ってびまん性に認められた。またALP陽性細胞は明確には認められなかった。FEAにおいては遠心根周辺を抵抗中心とした近心傾斜移動が生じ動物実験結果と齟齬はなかった。統合解析においては組織切片に対応した応力分布のコンター図の抽出は一定以上の精度で行えたが、歯根膜形状の差異が認められた。以上より、歯の初期移動においては、TRAP/ALP陽性細胞は荷重の圧迫側・牽引側に分類されない発現様相を呈し、応力値とは1:1関係ではない複雑な対応パターンを呈する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究開始当初に目的としていた、歯槽骨のリモデリングを惹起する歯根膜のメカニカルストレスの解明には至らなかったが、それらの関係性は想定以上の複雑性を孕むことが明らかとなったため、歯の移動結果は単純な荷重の大小で決定されないことを示す一つの基盤となった。また研究過程において得られた知見から派生した矯正歯科臨床における歯の圧下移動の最適荷重条件の研究は、実臨床に直結する知見であると考える。
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