研究課題/領域番号 |
20K18777
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大継 將寿 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (40803086)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ミュータンスレンサ球菌 / 感染性心内膜炎 / コラーゲン結合タンパク / 定着メカニズム / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、う蝕病原性細菌のうち菌体表層にコラーゲン結合タンパクを発現しているミュータンスレンサ球菌(CBP陽性株)が感染性心内膜炎の病原性に関与していることを明らかにした。最近になって、CBP陽性株は脳内微小出血やIgA腎症などの全身疾患に関与することも明らかにされてきている。一方で、ミュータンスレンサ球菌は養育者と子の間で伝播する傾向が強いとはされているが、CBP陽性株の伝播については検討されていない。本研究では、CBP陽性株の伝播および定着メカニズムを授乳習慣の観点から検討し、母乳由来の抗菌活性物質が示す抗菌効果を明らかにするとともにCBP陽性株の分子生物学的特性について分析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、菌体表層にコラーゲン結合タンパクを発現しているミュータンスレンサ球菌(CBP陽性株)の定着メカニズムを、乳幼児期の口腔細菌の定着および授乳習慣の観点から検討した。100ペアの小児および母親から唾液サンプルを採取し、抽出したDNAを用いてPCR法によりコラーゲン結合遺伝子の検出を行った。まず、母親では小児と比較してCBP陽性率が高い傾向を示した。また、母親がCBP陽性の小児では、母親がCBP陰性の小児と比較して有意に高い確率でCBP陽性株が検出された。さらに、CBP陽性株を保有する小児は保有しない小児と比較して、母乳育児期間が有意に短いことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
う蝕病原性細菌のうち菌体表層にコラーゲン結合タンパクを発現しているミュータンスレンサ球菌(CBP陽性株)は、感染性心内膜炎や脳内微小出血などの全身疾患に関与することを明らかにしてきた。一方で、これらの予防法については明確に確立できておらず、CBP陽性株を口腔内に定着させないことが根本的な予防策といえる。本研究により、CBP陽性株の主要な感染源や口腔内の定着に影響を及ぼす因子を明らかにすることができた。本研究成果は、予防法が確立していない全身疾患において、口腔領域から予防法を提唱するための一途となると考えられる。
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