研究課題/領域番号 |
20K18783
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高野 真実 広島大学, 医系科学研究科(歯), 研究員 (40846846)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | PCR / 滑膜細胞 / ANGPTL2 / LILRB2 / 炎症 / 軟骨細胞 / inflammation / JAK-STAT / MMPs / 下顎頭軟骨 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、近年慢性炎症への関与が報告されているAngiopoietin-like protein 2 (ANGPTL2 ) が、軟骨基質破壊を強力に誘導する性質を有していることを明らかとした。下顎頭軟骨におけるANGPTL2 の軟骨基質破壊メカニズムが、PCRの発症に影響している可能性が考えられるものの、その詳細なメカニズムについては不明である。本申請研究は、ANGPTL2 の下顎頭軟骨における炎症発現メカニズムについて検証するとともに、PCR の診断基準の確立、およびANGPTL2の発現メカニズムを制御する新規治療法の確立を目指すことを最終的な目標とする。
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研究成果の概要 |
In vitro実験系にて、ヒト軟骨細胞の培養に難航したため、滑膜細胞にて検討を行った。ANGPTL2の添加により、炎症性サイトカインおよび細胞外基質分解酵素において有意な発現の亢進を認めた。また、シグナル伝達経路についても発現の亢進が確認された。さらにLILRB2中和抗体によってJAK1およびJAK2の発現が、Integrinα5β1中和抗体では、JAK1の発現の抑制が認められた。In vivo実験では、下顎頭の過度な圧迫によって、ANGPTL2の発現および受容体の発現は有意に亢進していた。しかし、ANGPRL2阻害剤の軟骨保護効果についての検証では有意な結果を得ることができなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行性下顎頭吸収(Progressive Condylar Resorption : PCR ) は、下顎頭の吸収を突発的かつ急速に生じる後天性疾患であり、下顎頭の吸収により、下顎枝高径の短縮を生じ、それに伴い著しい下顎骨の後退や重度の開咬を引き起こす。PCRの発症原因は不明で、根本的な治療法および予防法は無く、難治性疾患に認定されている。 今回の研究結果により、下顎頭軟骨におけるANGPTL2 の軟骨基質破壊メカニズムが、PCRの発症に影響している可能性および、ANGPTL2発現を制御することによりPCRを予防することができる可能性が示唆された。
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