研究課題/領域番号 |
20K18785
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木舩 崇 九州大学, 大学病院, 医員 (90830414)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / メラトニン / 神経発達 / 睡眠 / 自閉症 / ドーパミン作動性ニューロン / ミトコンドリア / 自閉症スペクトラム障害 / メラトニン受容体 / ドーパミン / 乳歯由来幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、最も頻度の高い神経発達障害の一つである。ASDの発症には、松果体系とドーパミン系の機能不全が関与する可能性があり、それぞれ独立してASDへの関連が研究されてきた。しかし、松果体から分泌されるメラトニンは、睡眠導入の他、抗酸化、抗炎症、抗アポトーシスなど多様な作用を示すことから、この両者の間にはASDの発症に関する病理学的相互作用が推定される。本研究では、病態モデルとしてASD児から供与された乳歯幹細胞(SHED)をドーパミン作動性ニューロン(DN)に分化誘導し、両者の相互作用を細胞生物学的解析により明らかにする。本研究は、ASDの発症機序解明と治療法開発に寄与すると期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、自閉スペクトラム症 (ASD)児から得られた乳歯幹細胞をドーパミン作動性ニューロン (ASD-DN) に誘導し、メラトニン効果を解析した。メラトニンの非存在下では、ASD-DNは、コントロールDNと比較して、神経突起伸長の障害とミトコンドリア機能不全、サイトゾルおよびミトコンドリアCa2+の低下、小胞体(ER)のCa2+蓄積を示した。メラトニンは、ERからミトコンドリアへのCa2+放出を促進し、ミトコンドリア機能と神経突起伸長を改善した。メラトニンは、サイトゾルCa2+を上昇させ、ドーパミン放出も促進した。メラトニンは、ASDのドーパミン作動系の発達を改善する可能性がある
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、睡眠がメラトニンを介してニューロンの発達をどのように制御するかという観点から、ヒトの脳の発達における睡眠機能の分子機序解明に貢献できる。ニューロンの発達に対するメラトニンの薬理作用を明らかにすることにより、その作用に関連する分子を標的とした睡眠障害の新規治療薬の開発に貢献できる。脳の発達促進という観点から、健常児の睡眠障害に対する生活指導プログラムの構築のために科学的証拠を提示できる。
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