研究課題/領域番号 |
20K18787
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荒川 雅弘 九州大学, 大学病院, 医員 (50850484)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 筋疲労 / 筋機能 MRI / 31P-MRS / 下顎前突患者 / 筋機能MRI / 積分筋電図 / 顎変形症 / 表面筋電図 / 下顎前突 / EMG / mfMRI |
研究開始時の研究の概要 |
筋電図(EMG)により周波数解析を行うことで筋疲労を視覚的に評価することができる。さらに筋機能MRI(mfMRI)を用いることで,形態的な情報とT2値から得られる機能的な情報を,同時に複数の筋から取得可能であり,核磁気共鳴分光法(31P-MRS)により高エネルギーリン酸化合物を評価することで,疲労関連物質(PCr,Pi)にフォーカスされた咀嚼筋のエネルギー代謝を詳細に評価することが可能となる。 EMG・mfMRI・31P-MRSから得られる生理・生化学的情報は,顎変形症患者のQOLに直接的な影響を与えると考えられ,顎顔面領域における咀嚼筋疲労の発症機序の解明および診断法の確立が期待される。
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研究成果の概要 |
下顎前突患者 19 名と健常者 19 名の咬筋に対して、実験的咬みしめ前後の一過性の筋疲労を mfMRI と 31P-MRS を用いた分子イメージングを使用した新しい画像診断としての有効性を評価した。その結果、下顎前突患者群の平均 T2 値は、安静時の健常者群の平均 T2 値よりも有意に延長し、平均 T2 値は、実験的咬みしめの間に両方のグループで一時的に延長することが示された。また、PCr の値は実験的咬みしめ前後で一過性の低下、Pi の値は一過性の上昇を示し、31P-MRS ケミカルシフトの差より得られる下顎前突患者群の咬筋の pH は、実験的咬みしめ前後に一時的な低下を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋疲労は、最大筋力の低下もしくは最大収縮速度の低下と定義されており、咬筋、側頭筋を主とした咀嚼筋の疲労や痛みは開口障害や咀嚼障害、慢性疼痛を引き起こし、生活の質の向上に大きく影響していると認識されている。これまで、骨格筋疲労の評価のゴールドスタンダードは、筋表層の活動電位を高い時間分解能で記録できる表面筋電図であるとされてきた。しかしながら、針電極を用いた深層の筋の記録は侵襲的であり、筋全体の活動の記録を行うのは量的に限界があるなどといった問題点も指摘されてきた。しかしながら、今研究結果より筋機能 MRI および 31P-MRS は咬筋の筋疲労の評価の診断法として有効であることが示唆された。
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