研究課題/領域番号 |
20K18831
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
河崎 啓介 山口大学, 医学部附属病院, 医学部附属病院・診療助教(4日/週) (20869606)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | フソバクテリウム・ヌクレアタム / 大腸癌 / 歯周ポケット / ビフィズス菌 / 乳酸菌 / 桿菌 / 口腔ケア / 大腸癌予防 / フソバクテリウム / 口腔細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
フソバクテリウム(Fn)が大腸癌の発症に関与することが報告されている。Fnは本来大腸に存在するものではなく、口腔内常在菌であり、ブラッシングの際に歯周ポケットから血流に乗って大腸粘膜に定着する可能性がある。すなわち歯周ポケットのFnを制御できれば、大腸癌の予防や進展制御につながる可能性がある。またビフィズス菌や乳酸菌は、他の嫌気性菌の増殖を抑えることから、本研究では ①Fn増殖抑制効果が特に強いビフィズス菌種や乳酸菌種のスクリーニングを行い、②これらビフィズス菌種や乳酸菌種が歯周ポケット内で長時間の停滞が可能な方法を検討し、③治療前後での歯周ポケットおよび大便中Fn量の変化をモニタリングする。
|
研究実績の概要 |
口腔内の嫌気性菌であるフソバクテリウム・ヌクレアタム(Fn)が大腸癌の発症に関与することが報告されている。そのため歯周ポケットのFnを制御できれば、大腸癌の予防や進展制御につながる可能性がある。ただし、歯科用抗生物質製剤を歯周ポケットに注入しても、Fnの菌数は必ずしも減弱しない。なお嫌気性菌のビフィズス菌や乳酸菌は、他の嫌気性菌の増殖を抑えることから、ビフィズス菌と乳酸菌と桿菌の混合された(Acidophilus&Bifidus)に注目して、これを歯周ポケット内に注入することで、12時間の制御はできないものの、6時間以上は制御可能なことを確認した。さらに口腔ケアの方法として、歯周ポケット内におけるFn数の制御のためには、含嗽剤、洗口剤、歯ブラシによるブラッシングは超音波スケーラーによる歯石・歯垢除去に劣らず効果的であることを確認できた。さらに嫌気培養系での検討の結果、Acidophilus&Bifidusは、1μg/mlから1pg/mlまでの低濃度でも12時間程度処理できればFnの増殖を減弱可能であったことから、歯周ポケット内に注入することなく、経口摂取にてもFn数を制御できる可能性が示唆された。そこで市販されているメグミルク 恵 ビフィズス菌 SP株 カプセルヨーグルト ドリンクタイプ、明治プロビオヨーグルトR-1、Yakultミルミルをそれぞれ摂取後、Fn数の変化を検索したところ、各市販品を摂取していない場合と顕著な差異を認めなかった。すなわち、歯周ポケット内に低濃度であっても、ビフィズス菌や乳酸菌や桿菌を一定の時間停滞させることが重要であるとが示唆された。生体に害のないビフィズス菌や乳酸菌、桿菌の摂取で歯周ポケットからFn量の減弱が可能であることから、腸管のFn量の制御が実現できる可能性がある。また、この結果として大腸癌の再発や進展制御につながると期待している。
|