研究課題/領域番号 |
20K18840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荒田 悠太郎 東北大学, 大学病院, 助手 (20755011)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 医療安全 / 医学教育 / シミュレーション教育 / シミュレーション医学教育 / Safety-Ⅱ / 患者安全 / レジリエンス・エンジニアリング / 医療の質 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の患者安全に対するアプローチは、過去の有害事象を教訓に、リスクを排除して正しいやり方を定め、それに従うことで患者安全を向上させようというものであった(Safety-Ⅰ)。近年、患者安全の向上には、状況の変化に柔軟に対応することで事故を防ぐアプローチ(Safety-Ⅱ)の重要性も強調されている。本研究では、患者安全教育が個人やチームの柔軟性(レジリエンス)に与える影響を検討し、どのような行動変容を与えているかを調査検討する。更に、その成果によりレジリエンスを高めるプログラムを開発する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、従来の患者安全教育が、学習者の患者安全能力の獲得にどのように影響を与えるかを測定し、測定データを基に新たな教育プログラムを開発することを目的とした。一次救命処置について、一定の知識や技術を持つ学習者群に対して、①従来の心肺蘇生法教育で一般的に課せられるシチュエーションと、②医療現場で起こり得るような、イレギュラーシチュエーションとで、学習者がどのような対応を行うかを実践させ、その事後に質問紙による達成度調査を行った。実技課題と質問紙調査の結果から、イレギュラー事例において、医療事故に繋がるような重大な判断ミスが起こる頻度が増加すること、パフォーマンスが下がることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果から、学習者にイレギュラーなシチュエーションを疑似体験させることにより、手技の応用の理解や、状況把握の重要性の理解を促進させる効果が明らかとなった。そのため、患者安全教育においては、全ての医療従事者に対して画一的な知識や手技を学習させるだけではなく、実際に起こり得るシチュエーションや本人の予想できない状況を、本人の能力に応じて学習内容を変化させながら、疑似的に体験させることで、レジリエンス能力を獲得できる可能性が示唆された。個別化された教育を実現することで、全ての医療従事者が高い患者安全能力を獲得し、ひいては医療事故の減少に寄与することができる。
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