研究課題/領域番号 |
20K18851
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
板井 純治 広島大学, 病院(医), 助教 (10833709)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 土砂災害 / 皮膚軟部組織感染症 / マルチプレックスPCR法 / 災害医療 / DMAT / 電子トリアージタグ / 重症皮膚軟部組織感染症 / マルチプレックスPCR / 電子トリアージ / 情報共有システム |
研究開始時の研究の概要 |
大規模自然災害時におこりうる皮膚軟部組織感染症に対しての病原微生物の起因菌の種類ならびに薬剤耐性について調査する.病原微生物の迅速診断法であるマルチプレックスPCR法と電子トリアージタグを用い,迅速かつ追跡可能な感染症診断システムの確立をおこなう.システムの共有が実現可能かどうか,今後開催される広島県の災害訓練時に傷病者搬送後の各医療機関での感染症情報の迅速性や達成率,正当率を評価する.
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研究実績の概要 |
①平成30年7月豪雨の皮膚軟部組織感染症患者の起因菌ならびに薬剤耐性の調査 広島県内の災害拠点病院に対して入院加療や通院治療を受けた皮膚軟部組織感染症患者の起炎菌情報を過去の電子カルテ情報を元に収集した.災害拠点病院15病院のうち14病院について収集中であり,広島大学病院症例は集積完了できている.起炎菌について豪雨災害では特殊な起炎菌も複数みられており通常診療でみられる皮膚軟部組織感染症とは異なる細菌の検出が多く認められた.薬剤耐性についても抗菌薬使用歴のない患者でも耐性菌の出現を多く認められ,初回抗菌薬の選択でも広域抗菌薬の使用の差が施設間が認められた. ②マルチプレックスPCR法を用いた起因菌情報同定の迅速化の検討 当院救命救急センターに搬送された軟部組織感染症患者に従来培養法,両システムを同時におこない,従来法と比較して,抗菌薬治療内容、変更のタイミングについて検証中であり,平時の救命救急医療であるが壊死性筋膜炎,ガス壊疽症例において,平均1-2日の早期抗菌薬変更に結び付ける結果がえられた.初回抗菌薬の適切な投与についてはほぼ全症例で結果がえられているが,広域抗菌薬の使用は多い結果だった. ③電子トリアージタグを活用した感染症情報の共有システムの構築 電子トリアージタグのシステムについて各病院間で感染症情報を共有できる仕様かつ、感染症情報の設定項目について検証し,負担が少ないように10項目の情報共有のみとした.災害訓練時に使用できるように2024年度で調整中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行にともない,従来よりも皮膚軟部組織感染症患者数が少ない状況であったが,令和2年度,令和3年度の前期は症例の蓄積がすすまない状況だった.令和3年度後期からは徐々に症例蓄積がすすんだが,まだ症例が十分多くない現状である. また災害訓練が令和3年度以降も新型コロナウイルス流行のため、従来通り実施できなかったが令和6年度の訓練にて実施を予定している.
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今後の研究の推進方策 |
①平成30年7月豪雨の皮膚軟部組織感染症患者の起因菌ならびに薬剤耐性の調査 予定通り、残りの広島県内の災害拠点病院と協力し、それぞれの入院加療や通院治療を受けた皮膚軟部組織感染症患者の起炎菌情報を引き続き収集しデータ解析する. ②マルチプレックスPCR法を用いた起因菌情報同定の迅速化の検討 引き続き当院救命救急センターに搬送された軟部組織感染症患者に従来培養法,両システムを同時におこない,従来法と比較して,抗菌薬治療内容、変更のタイミングについて検証する. ③電子トリアージタグを活用した感染症情報の共有システムの構築 電子トリアージタグのシステムを完成させ,開催予定の災害訓練での使用を目指す.新型コロナウイルス感染症の流行が継続した場合,机上シミュレーションで対応する.
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