研究課題/領域番号 |
20K18855
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
香束 昌宏 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (90847394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 服薬アドヒアランス / 腎移植 / 免疫抑制剤 / 信頼性妥当性の検討 / 質問票 / ポリファーマシー / アドヒアランス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では海外で移植患者に用いられている服薬アドヒアランス尺度Basel Assessment of Adherence to Immunosuppressive Medications Scale (BAASIS)の日本語版の開発を行う。その後、BAASIS日本語版を用いてアドヒアランス不良のリスク因子の特定および服薬アドヒアランスを向上させるシステム構築を行う。これにより移植患者の服薬アドヒアランスの向上および長期成績の改善に貢献することが出来る可能性がある。
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研究実績の概要 |
腎移植患者は拒絶反応によって移植腎廃絶となるリスクがあるため、移植腎が機能している限り免疫抑制剤の服用を続ける必要がある。実際、拒絶反応による移植腎廃絶の約半数はアドヒアランス不良に起因しており、服薬アドヒアランスの向上により腎移植の長期成績の改善が期待される。しかしながら、移植患者に適し、質が担保された日本語版の服薬アドヒアランス尺度は存在しておらず、日本では服薬アドヒアランス研究があまり行われていない。本研究では海外で移植患者に用いられている服薬アドヒアランス尺度Basel Assessment of Adherence to Immunosuppressive Medications Scale (BAASIS)の日本語版の開発を行う。その後、BAASIS日本語版を用いてアドヒアランス不良のリスク因子の特定および服薬アドヒアランスを向上させるシステム構築を行う。これにより移植患者の服薬アドヒアランスの向上および長期成績の改善に貢献することが出来る可能性がある。
ISPORガイドラインに沿ってBAASISの日本語版(J-BAASIS)を作成を行った。また、COSMIN checklistを参考にしながら、信頼性・妥当性の検討の計画をたてた。そして、大阪市立大学泌尿器科に通院中の腎移植患者を対象にBAASIS日本語版、質問票、服薬アドヒアランス尺度12項目版、Medication Event Monitoring System(MEMS)を用いて調査を行った。J-BAASISは良好な信頼性・妥当性を有していた。今後、エビデンスを有した質問票での服薬アドヒアランス測定が本邦でも可能となった。さらに、服薬アドヒアランス測定のgold standardであるMEMSとの併存的妥当性を示した本研究は、BAASISの心理測定特性のエビデンスをさらに強固にした。令和4年度はこれらの報告を論文としてまとめながら、国内外の学会で報告するために抄録を作成した。今後はアプリを使用しての服薬アドヒアランスを向上させるシステム構築を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
BAASISの改訂が行われ、日本語版の作成に時間を要した。また、コロナ禍のため調査の開始が遅くなった。これらのため、計画が順次遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
J-BAASISは良好な信頼性・妥当性を有していた。今後、エビデンスを有した質問票での服薬アドヒアランス測定が本邦でも可能となった。さらに、服薬アドヒアランス測定のgold standardであるMEMSとの併存的妥当性を示した本研究は、BAASISの心理測定特性のエビデンスをさらに強固にした。 これらの報告を論文としてまとめながら、国内外の学会で報告する予定である。今後はアプリを使用しての服薬アドヒアランスを向上させるシステム構築を行う予定である。
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