研究課題/領域番号 |
20K18858
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
高橋 宗康 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (20758130)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Gender inequality / Self-rated health / South Korea / Japan / 国際間比較 / 日本 / 韓国 / 主観的健康感 / Gender paradox / 健康格差 / 国際比較 |
研究開始時の研究の概要 |
「女性は男性より長寿だが、疾病が多く、主観的健康感が悪い」という長寿と不健康の”Gender Paradox”が世界各国では一般的であるが、日本と韓国は例外だ。両国は最長寿を達成したが、女性の社会参加や地位は低く、依然として「男女の権利の格差」が残存する。本研究は、日本と韓国のデータを用い、年代別に「悪い」主観的健康感の男女差を比較する。その中で、1. 日本と韓国における主観的健康感は西洋と同じパターンか、2. 健康の社会的決定因子の男女差は、健康の健康格差も説明しうるか、3. 年代別主観的健康感の健康格差が両国で異なる場合、各年代の背景因子は何か。以上3つの「問い」に迫ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
日本と韓国の主観的健康感を用いて、健康状態の男女格差(Gender Inequality)を両国で比較した。分析対象者は、20歳以上の239,076人であった。年代別主観的健康感のパターンは両国とも年齢が上がるに従って「悪い」主観的健康感の割合が増加した。年代別主観的健康感の男女の有病率比を交絡因子を順次調整し両国で比較したところ、主に社会経済因子で両国の差は縮まったことから、日本と韓国の男女格差の違いの一部は教育歴と家族収入といった社会経済的要因で説明することが分かった。 "Gender paradox"(日本や韓国が男女平等でなくとも長寿を達成したころ)について、さらなる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義として、韓国と日本は類似性があると言われながら、本分析により両国は社会経済的因子を背景とした異なる健康感を持つことが分かり、両国を過大に一般化することに警鐘を鳴らすことが挙げられる。つまり、それぞれの国は健康状況に影響をもたらす決定因子は異なり、特有の状況を理解しする必要がある。社会的意義としては、歴史的に韓国の高齢女性が教育を十分に受けれなかったこと等、弱い立場に置かれていることであり、そのような人々に対する重点的な政策を進める重要性が挙げられる。また、本研究では、韓国も日本でもGender paradoxを説明する他要因を示唆し、さらなる研究が求められる。
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