研究課題/領域番号 |
20K18860
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
水谷 友紀 杏林大学, 医学部, 講師 (20365381)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 高齢がん患者 / エンドポイント / 臨床試験 / 老年腫瘍 / 認知機能 / 高齢者 / がん / 臨床研究 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、高齢がん患者を対象とした臨床試験が増えているが、こうした試験でさえ、全生存期間をエンドポイントに設定している試験が多い。一方、日常診療で高齢がん患者が口にする、「いつまで元気でいられるか」をエンドポイントにしている試験は少ない。これは、「元気」を、どう定義し、どう測定し、どう評価し、どう解釈するかが定まっていないためである。そこで、本研究では、高齢者を対象とした臨床試験のシステマティックレビューを行ったうえで、医療者を含む臨床試験の専門家および患者代表とでパネル・ディスカッションを行い、高齢がん患者において「いつまで元気でいられるか」というエンドポイントの定義および評価方法を提言する。
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研究成果の概要 |
高齢がん患者においても余命を伸ばすことに主眼をおいて治療開発が行われている現状において、高齢がん患者を対象とした臨床試験のスコーピングレビューを行い、高齢がん患者における最適なエンドポイントを検討した。結果、対象試験の約8割は生存期間延長をエンドポイントとしていたが、生命の質(Quality of Life)、高齢者機能評価、有害事象をエンドポイントとしている試験もあり、それぞれの評価方法、解析方法を公表した。 また、重要なエンドポイントではあるものの、人的・時間的な問題から評価されてこなかった認知機能障害を簡便に評価するためにスクリーニングツール(Mini-Cog)アプリを開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢がん患者を対象とした臨床試験において、「いつまで生きることができるか」よりも「いつまで元気でいられるか」の方が重要である、ということは古くから指摘されていたが、これまで高齢がん患者における最適なエンドポイントを検討した研究はなかった。本研究では、生存期間延長以外にも適切なエンドポイントがあること、その評価方法や解析方法を具体的に提示した。また、Mini-Cogアプリを開発したことにより、認知機能障害も簡便に評価できるようになった。このことにより、高齢がん患者を対象とした今後の臨床試験およびレジストリ・データベースで「いつまで元気でいられるか」という情報を収集する基盤が構築されたと考える。
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