研究課題/領域番号 |
20K18861
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
今泉 源 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (80833855)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 精神科 / 倫理的行動 / 道徳的感性 / 倫理的悩み / 倫理的風土 / 看護師 / 精神科看護師 / 精神科看護 / Dark Triad |
研究開始時の研究の概要 |
Dark Triadはマキャベリアニズム、ナルシシズム、サイコパシーの総称であり、社会的に重要な影響をもたらす要因であるとされている。これまで、精神科看護師の倫理的行動に影響を及ぼす要因は陰性感情やスティグマといった患者-看護師関係の中で生まれる心理的な要因が着目されていたが、看護師の根本的な性格、人格といった要素と倫理的行動との関係は明らかになっていない。本研究ではDark Triadと精神科看護師の倫理的行動の関係を明らかにすることにより、精神科における看護師の患者に対する非倫理的行動を防止する施策を提言するための基盤知見とすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
全国の精神科病院14施設に所属する949名の看護職者を対象に質問紙調査を行い、組織風土尺度の下位因子である「柔軟性・創造性・大局的」、「自由闊達・開放的」、「権威主義・責任回避」、協同作業認識尺度の下位因子である「個人志向因子」、「協同効用因子」が倫理的風土に影響を及ぼす要因であることを明らかにした。 この結果から、組織における倫理的風土を向上させるためには、権威が弱いと考えられる看護者を含めたすべての看護者の倫理的な感性を対等に扱い、個々の道徳的感受性や倫理観が看護実践に反映させられるような風土を作ることが必要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は歴史的に繰り返されている精神科病院での医療者による非倫理的行動の原因を明らかにすることである。精神科看護師の非倫理的行動については個人要因(看護師自身のパーソナリティや心理状況など)に着目した研究が盛んに行われているが,多様な見解や結果の非一貫性が見られ問題の提起に留まっているのが現状である。 一方,本研究ではそうした非倫理的行動の原因を環境要因に求めることで包括的な介入へ繋げやすいアウトカムを得ることができた。本研究で得られたより,看護師個々の個人要因に依存しない形での精神科病院における非倫理的行動の予防・改善につながる可能性がある。
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