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日本人高齢糖尿病患者の治療アクセシビリティ向上のための提案

研究課題

研究課題/領域番号 20K18871
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
研究機関筑波大学

研究代表者

田中 理恵  筑波大学, 医学医療系, 研究員 (60827418)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード患者の意向 / 患者ケアの連続性 / テキストマイニング / 離散選択実験 / 糖尿病 / 高齢者 / 環境再構築 / 選好 / 保健医療サービス利用 / 糖尿病自己管理 / 高齢糖尿病患者 / 併存症 / 老年症候群 / 行動インサイト / 2型糖尿病 / 保健医療サービス利用可能性 / コホート研究 / 治療アクセス
研究開始時の研究の概要

高齢化が進む日本人糖尿病患者においては、加齢に伴い次第に従来通りに治療を継続することが難しくなる。治療を継続できなければ糖尿病の重症化に直結する。重症化を予防するには、高齢患者が糖尿病治療に生涯アクセスできるための支援を考案する必要がある。本研究は、65歳以上の糖尿病患者の特性と通院継続期間との関連を分析することにより、治療アクセスの要因を特定し、特定した要因に基づいて、患者が治療アクセスの可否を決定する際に何を重要視するのかを想定することにより、高齢糖尿病患者の治療継続を可能とする支援環境を提案する。

研究実績の概要

当該年度は予備調査の結果をもとに、高齢患者が糖尿病治療を継続するための選好要件として優先する傾向が示された医療者との関係性と地理的時間的な利便性に関する内容の詳細を検討した。予備調査で得られた自由記載の回答を、テキストマイニング法による共起ネットワーク分析により表した結果、医療者、特に医師との関係性においては専門性や人的交流、長期的な保証が質的に重視されており、他の医療者については情報管理に関する安全性が挙げられていた。また医療者全般には接しやすさが共通に選好されることが明らかとなった。これらを考慮したうえで、高齢患者が好む傾向にある医療施設の属性を相対的に重みづけすることにより、受診環境の調整を提案することにより、地域医療連携のもとで糖尿病治療を継続するための包括的な医療提供体制を強化することを目指している。
上記の結果を受けて、研究計画の最終段階にあたる糖尿病外来患者を対象とした質問紙調査を実施した。予備調査の結果とこれまでの文献検討の知見をもとに離散選択式の質問紙原案を作成し、専門家による内容の吟味とプレテストを経て完成させた無記名自記式質問紙を用いて、糖尿病専門外来に来院した患者に説明文書を付して、調査協力への同意の表明と質問紙への記入を依頼し、記入済みの質問紙を郵送にて回収した。事前に推計した対象者数を十分に満たす参加者から回答を得ることができ、調査結果については糖尿病治療を継続するための受診先の属性の優先性について、コンジョイント分析の手法を参考にデータ解析を行っている。本調査では対象者を幅広い年齢層に拡大したことにより、先行研究で示唆された加齢に伴う選好への影響をはじめ、通院手段などの生活背景や併存疾患を含む臨床像の詳細についても解析を進めている。これらの結果をもとに、今後は高齢者はもとより各年齢層、患者層に応じた糖尿病治療継続のための受診環境を提案していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行したことを受けて、質問紙調査の実施時期を見合わせたことによる遅れが生じているものの、補助事業期間を延長したことで当初の計画に沿って研究を進めることができている。質問紙調査は予定していた糖尿病診療データベースからの診療情報の取得は行わず、当事者を主体とする結果を得るために患者報告による形式とした。また高齢者のみを対象とする計画から成人期以降の人を対象としたことでの変更は生じているが、これらによる研究の進捗への影響は特段ない。

今後の研究の推進方策

当該研究課題の目的をより精緻に達成するための研究の実施を主として、今後は成果公表などを予定している。具体的には、調査協力者に向けたプレスリリース、論文投稿、資料整理と保管、報告書の作成等を行っていく。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Nudge for environmental restructuring in diabetes self-management: Comment on existing systematic reviews2023

    • 著者名/発表者名
      Rie Tanaka
    • 雑誌名

      Health Services Insights

      巻: -

    • DOI

      10.1177/11786329231174337

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Continuity of diabetes care among elderly Japanese patients: a medical record review study in a specialized diabetes clinic2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Rie、Motohashi Shinobu、Morioka Junko、Takahashi Akimitsu、Yamazaki Katsuya、Kawai Koichi
    • 雑誌名

      Diabetology International

      巻: ー 号: 3 ページ: 584-589

    • DOI

      10.1007/s13340-022-00569-y

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 高齢患者を対象とした糖尿病治療継続のための受診先に関する選好調査2024

    • 著者名/発表者名
      田中理恵
    • 学会等名
      第5回茨城県糖尿病療養指導セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 高齢患者を対象とした糖尿病治療継続のための受診先に関する選好調査2023

    • 著者名/発表者名
      田中 理恵, 伊藤由実子, 武末磨美, 岩﨑 仁, 島野 仁
    • 学会等名
      第10回日本糖尿病協会年次学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Continuity of diabetes care among elderly Japanese patients2022

    • 著者名/発表者名
      Rie Tanaka
    • 学会等名
      The 42nd Annual Conference of Japan Academy of Nursing Science
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 当院2型糖尿病患者認知機能の治療経過への影響2022

    • 著者名/発表者名
      川井 紘一; 本橋 しのぶ; 森岡 順子; 田中 理恵; 高橋 昭光; 山﨑 勝也
    • 学会等名
      第59回日本糖尿病学会関東甲信越地方会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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