研究課題/領域番号 |
20K18891
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
西崎 祐史 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (60743888)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 卒後臨床研修 / 基本的臨床能力評価試験 / GM-ITE / 臨床研修環境 / 医師キャリア / 初期臨床研修 / 初期研修医 / ソーシャル・ネットワーク・サービス / 臨床研修教育環境 |
研究開始時の研究の概要 |
初期臨床研修医が臨床研修を受けた「教育環境」や研修で獲得した「基本的臨床能力」は、その後の医師キャリア形成に多大な影響を与える。しかしながら、本邦において研修医を対象とした大規模コホートは存在せず、医師キャリアと初期研修内容の関連性は検討されていない。本研究は、基本的臨床能力評価試験(GM-ITE: General Medicine In-Training Examination)を受験する初期研修医2年次を対象に、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを用いて、医師キャリア等に関連する情報を追跡調査する。追跡調査で得られた情報とGM-ITEスコアや臨床研修教育環境との関連性を明らかにし、初期臨床研修教育の質向上を目指す。
|
研究実績の概要 |
4年連続でアンケートに回答した医師は3名であった。男女比は、男性2名(66.7%)、女性1名(33.3%)であった。所属機関の内訳は、市中病院2名(66.7%)、その他1名(33.3%)であった。その他の内容は、保健所であった。希望診療科の内訳は、内科2名(66.7%)、その他1名(33.3%)であった。2023年3月の調査では、業績(筆頭著者として査読のあるジャーナルへの論文掲載)が有と回答した医師は、6名中1名であったが、2024年3月の調査では、業績が有と回答した医師はいなかった。2020年度の基本的臨床能力評価試験(GM-ITE:General Medicine In-Training Examination)の受験者全体(n=7,669)の成績は、合計点28.9±5.5(標準偏差)点であった。その一方で、業績が無と回答した3名の医師のGM-ITEスコアは、合計点35.0±1.7点であった。本結果から、研修修了後数年以内に業績が無くても、スコアが劣らないことが分かった。その他、卒後3年目以降の海外留学経験の有無(6か月以上の研究および臨床留学の有無)については、留学が有と回答した医師は、3名中0名であった。 本追跡研究において明らかになった、臨床教育環境に関する知見の中で、注目すべき点は「Disruptive physician(破壊的医師)」からの指導経験に関する結果である。本研究結果では、研究に参加した医師の54.55%と比較的多くの医師が経験有と報告している。また、臨床研修修了後数年以内の業績と基本的臨床能力との間には、正の関連性は認められないことが分かった。しかしながら、本研究はCOVID-19蔓延の影響で研究参加者が制限されたため、研究成果は、あくまでプレリミナリーなものであり、さらなる研究や検証が必要だと思われる。
|