研究課題/領域番号 |
20K18895
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
藤田 ひとみ 日本福祉大学, 健康科学部, 講師 (50610010)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 筋ジストロフィー / シーティング / 質問紙調査 / 質的研究 / 電動移動機器 |
研究開始時の研究の概要 |
筋ジストロフィーは,根本的な治療が確立されていない難病であり,QOLの向上及び成人移行を見すえた体制に関する取り組みが課題となっている.身体機能に適合した車椅子の提供は医療行為である[2017. 厚生労働省]が,明確な基準等は明らかにされていない.本研究では,筋ジス 患者が使用する車椅子を医療機関から提供されるまでのシーティング・プロセスについて現在進行中の調査に加え,①医療従事者への個別インタビューと,②車椅子製作担当者への質問紙調査を実施する.これらの調査から筋ジス患者を対象とするシーティングに必要な環境及び技能を明らかにし,適切な医療が提供できるシステムを構築する一助とする
|
研究実績の概要 |
2014 年 8 月から 2019 年 7 月の 5 年間に日本国内における理学療法士あるいは作業療法士が報告した「筋ジストロフィー」及び「理学療法」あるいは「作業療法」をキーワードとした学術報告は延べ 266 件であり,報告者のうち理学療法士及び作業療法士の計 140 名を調査候補とした.この候補者全員に対し調査協力依頼をしたところ,協力承諾者 41 名,不承諾者 24 名,異動により不在者 19 名,返信のない者 56 名であった.不承諾者の理由はすべて「筋ジス患者へのシーティングを実施していないため」であった.承諾の得られた 41 名に対し調査用紙の送付及び回収を行った.回答者の特性として,年齢及び免許取得年数より一定の経験年数をもち,平均 11 年程度シーティングに関わってきていることが分かる.シーティングの経験人数は,半数が10 人以上という回答となり,長期に渡るシーティングの経験を有していた.調査不承諾の理由がすべて「筋ジス患者へのシーティングを実施していないため」だったことから,筋ジス患者のシーティングは一部の施設のセラピストが主となって担当していることが考えられた.筋ジスを対象としたシーティングに取り入れているアプローチとして,ABS(Active Balance Seating),キャスパーアプローチなどの回答があり,その他として「生活環境に対するアプローチ」,「背もたれを利用した変形予防」,「呼吸と嚥下を重視した姿勢」等の記述があった.約 7 割が満足している結果であったが,選択回答した理由をみると,「他職種との連携が不十分」,「書類手続き等に時間を要し,提供までの時間が長い」,「良し悪しの判断が難しく,自信がない」等の記述が中心であった.これらは満足の高低に関わらず,課題として捉えている様子が伺えた.
|