研究課題/領域番号 |
20K18901
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今村 剛朗 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60849412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 急性発熱 / 敗血症 / ザンビア共和国 / NGS / 重症感染症 / COVID-19 / 酸素支持療法 / 網羅的解析 / 感染症 / ザンビア |
研究開始時の研究の概要 |
感染症は発展途上国における重大な疾病や死亡原因であるが流行状況把握が困難な国も多い。一方、気候変動や急速な社会・経済発展を背景に、既存の感染症や新興感染症が増加している。人的移動が活発な現代社会では、これらの病原体が日本国内に輸入される可能性も小さくない。アウトブレイクやパンデミックを早期に検出し事前に備えるためにも、感染症流行状況把握と未知の病原体をも検出可能な網羅的サーベイランス体制構築とが必要である。本研究は、ザンビア共和国における感染症流行状況解明につなげるべく、急性発熱で病院受診し敗血症が疑われる重症感染症患者を対象として、未知の病原体も含めた網羅的病原体解析を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
感染症は低・中所得国(low- and middle-income countries: LMIC)における重大な疾病や死亡の原因である。しかしながら、検査診断やサーベイランス体制の不備、医療へのアクセスなどの感染症に対する脆弱性から、多くのLMICでは流行状況把握や病原体検査診断に基づく感染症治療の実施が困難である。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが改めて明示したように、グローバル化はLMICへの新たな感染症の流入およびLMICから世界への新興再興感染症の輸出を容易にしてきた。グローバルヘルスの観点から、LMICにおける感染症流行状況把握と未知の病原体をも検出可能な網羅的サーベイランス体制構築とが必要である。本研究は、サハラ砂漠以南に位置するザンビア共和国における感染症流行状況の解明につなげるべく、急性の発熱で病院受診し敗血症が疑われる重症感染症患者を対象として、未知の病原体も含めた網羅的病原体解析を行うことを目的とする。
COVID-19パンデミックにより新規の研究開始が困難であった期間、研究代表者はザンビア共和国保健省や国際協力機構(JICA)と共同でザンビア共和国でのCOVID-19に対する酸素療法の支援を行ない、その一環としてザンビア共和国内のCOVID-19診療病院で治療されたCOVID-19 約2900症例の診療録振返り研究を実施した。現在は、ザンビア共和国の首都ルサカで急性発熱患者に関する病院研究開始の準備を行なっている。ルサカ内にある貧困地域は、COVID-19やコレラなど感染症流行のハイリスク地域であり、なおかつ高い死亡割合などが示すように感染症流行のヒトにおけるインパクトが大きい地域でもある。当該地域での今年度の研究開始に向けて、共同研究者や協力機関と協議を行い、ザンビア国内の倫理委員会の審査を申請している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19パンデミックの負荷軽減や、ザンビア共和国・日本両者の渡航制限緩和に伴い、研究活動開始が可能となった。しかしながら、2023年10月からはザンビア共和国首都ルサカでコレラのアウトブレイクが発生し、再度公衆衛生対応で研究活動が停滞した。その中でも、病院担当者、ザンビア大学、ザンビア共和国保健省、WHOザンビア事務所と協議を行い、現在2024年度の首都ルサカにおける病院研究開始に向けて倫理委員会の審査を申請している。研究実施病院の担当者とオンラインで毎週定期ミーティングを開催している。
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今後の研究の推進方策 |
ザンビア国内、東北大学の倫理委員会承認後、2024年度内に病院研究を開始する予定である。同時に、COVID-19パンデミック下に収集した臨床診療録の解析を行い、論文化を目指す。
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