研究課題/領域番号 |
20K18903
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤吉 奏 広島大学, 学術・社会連携室, 助教 (20805808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 住環境 / 細菌群集 / 微生物生態学 / 相互作用 / ホームプロバイオティクス / 次世代シーケンサー / 抗酸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
非結核性抗酸菌の一部が引き起こす難治性の肺疾患は、ヒト-ヒト感染はなく、主な感染経路はヒト周辺環境に存在する病原性の抗酸菌への暴露と考えられている。これまで、その感染源が浴室環境である可能性が示唆されており、最近実施された全国規模での調査でも約半数の家庭から抗酸菌が検出されている。しかし、罹患率や病原性の抗酸菌種の分布は地域間で大きく異なっている。本申請研究は、「なぜ病原性の抗酸菌種には地域差があるのか」を明らかにするため、国内の浴室環境試料を収集し、その微生物群集構造、抗酸菌の菌種組成、現存量を調査する。これにより、病原性の抗酸菌種と共起/排除関係にある微生物および地域性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
日本全国の浴室環境からシャワー水、シャワーヘッド中バイオフィルム試料を収集し微生物群集構造を解析したところ、シャワー水には地域差がなく抗酸菌の割合もヨーロッパやアメリカと比べると低かった。シャワーヘッド中バイオフィルムに関しても抗酸菌の割合はシャワー水同様に低かった。。得られた微生物群集構造を用いてネットワーク解析をしたところ、日和見感染菌を含む属と負の相互作用をする細菌を見出すことができた。しかしこれらは難培養性であったことから、現在理化学研究所と共同で培養方法を検討している。試料から微生物の分離培養をしたところ、現在までにMycobacterium属を含む55株を取得した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、浴室ならびに浄水環境における微生物群集を評価した国内初のデータである。また、同じ浴室で採取したシャワーヘッドからの水とその内部のバイオフィルムの微生物群集を比較することで、水とバイオフィルムの微生物の類似性と相違性が明確に示された。各家庭において独自のバイオフィルム微生物群集が構築されていたことから、公衆衛生においては各家庭における衛生対策が重要であり、そのためには現場での迅速かつ容易な微生物群集の同定が必要であることが示唆された。
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