研究課題/領域番号 |
20K18907
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
小田切 崇 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80770221)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 変異株 / 遺伝子 / 進化 / B型インフルエンザウイルス / 抗原変異 / 欠失 / ウイルス / アミノ酸欠失 / HA遺伝子 / HA抗体 / ウイルス進化 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスの遺伝子には長年にわたる宿主免疫との攻防の歴史、即ちウイルス進化の歴史が刻まれている。近年、B型インフルエンザウイルスにおいて遺伝子の一部を欠失することでウイルスの抗原性を変化させた株の流行が確認された。また過去には遺伝子の挿入という現象も確認されている。 本研究では免疫を獲得したヒトの集団においてB型インフルエンザウイルスが起こす特有の進化機構を解明することを目的としている。
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研究成果の概要 |
B型インフルエンザウイルスがもつ特徴的な進化機構を明らかにするための研究を行った。B型インフルエンザウイルス(野生株)とそのウイルスのHA・160-loopに結合する単クローン抗体を共培養することで、エスケープ変異体を2株作出することに成功した。この変異体のうち1株は160-loop領域内にアミノ酸の欠失があることをシークエンス解析で明らかにした。得られたエスケープ変異体のウイルス増殖能を野生株と比較し、ウイルス増殖能に差がないことを確認した。本研究結果から遺伝子の欠失はB型インフルエンザウイルスがもつ特徴的な進化機構の1つである可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス感染症の制御は大きな社会的課題である。A型インフルエンザウイルス(A型ウイルス)同様、B型インフルエンザウイルス(B型ウイルス)も毎年流行が確認されている。しかし、毎年一定規模の流行が世界各地で確認されるA型ウイルスに比べ、B型ウイルスの流行規模は地域によって様々である。そのため、ウイルス学的特徴(進化機構、進化速度など)の見解を得るための研究はA型ウイルスに比べ、後れをとっている。本研究は、B型ウイルスの生存戦略の解明を試みた基礎研究である。本研究では、その解明の一端となる有用な成績が得られた。
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