研究課題/領域番号 |
20K18909
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
長嶋 大地 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (20713720)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アクリルアミド / α-リポ酸 / 酸化ストレス / MAPK / 神経毒性 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究により同定された影響マーカーを用いて、α-リポ酸の有効性を評価する。この影響マーカーは、acrylamide曝露により特異的に変化し、量反応関係が認められている。つまり、α-リポ酸の投与により影響マーカーに変化があった場合、毒性軽減効果を示唆することとなる。一方、化学物質の曝露により、ミトコンドリアの形態が変化したとの報告から、エネルギー産生能との関連が示唆される。そこで、ミトコンドリアの形態観察および培養細胞によるエネルギー産生能を直接評価する。また、細胞分化時の古典的経路を評し、薬理学的作用機序の解明を試みる。
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研究実績の概要 |
本邦において、acrylamideは、土壌凝固剤や電気泳動の支持体として用いられるほか、食品の高温調理により生成することが明らかになっている。長期曝露によって、末梢神経障害や中枢神経障害を引き起こすことが知られており、その毒性発現には、タンパク質中のチオール基との結合が関与しているとの報告がある。この結合は、acrylamide自身の分子内の部分的な電子の偏りが関与していると考えられているが、その毒性発現機序は十分に解明されておらず、中毒時の治療法や予防法は確立していない。我々はこれまでにacrylamide曝露ラットを用いて脳内で変化するタンパク質を明らかにし、影響マーカーとしての有用性を報告してきた。そこで、本研究課題では、神経毒性発現メカニズムの更なる解明と、α-リポ酸による神経毒性に対する治療法の探索を試みた。現在までに、PC12細胞を用いた毒性試験において、ACR誘発細胞死をα-リポ酸が有意に改善し、細胞死を抑制することが明らかとなった。また、神経成長因子であるNGF刺激により増加したリン酸化p44/42の発現量は、ACRにより抑制され、α-リポ酸の投与により改善傾向がみられた。更に、神経突起のマーカーである遺伝子の発現量や細胞保護に関与する遺伝子群に変化が認められた。一方、動物実験においては病理切片を用いた蛍光染色を試みており、今年度は染色プロトコルが確立できたため、今後組織学的評価を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に続き、今年度も4月1日より学内部署異動があり、実験環境整備に時間がかかった。また、教育業務の追加により実験スケジュールに影響が出た。更に免疫染色法のプロトコルの確立に時間を要した。そのため、計画していた実施期間を越えての研究となった。
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今後の研究の推進方策 |
細胞実験は概ね終了し、遅れている実験動物での有効性を評価する。
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