研究課題/領域番号 |
20K18915
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
森 幸太郎 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, メディカルゲノムセンター・ゲノム医療研究推進室長 (10773822)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Fidelity Variant / Viral RNA Polymerase / Quasispecies / Mutator variants / Fidelity / influenza virus / polymerase / インフルエンザウイルス / 準種 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「インフルエンザウイルスは様々な淘汰圧を回避するために、高頻度に変異を導入する性質がある変異体ウイルスポリメラーゼの発現を一過的に上昇させる」という作業仮説を検証し、その分子機構の解明を目指す。具体的には、ウイルス集団中の高頻度変異導入ポリメラーゼの量を上昇させる要因を既存の抗ウイルス薬や中和抗体等を主眼に探索するとともに、上記仮説が引き起こされるメカニズムを明らかにする。本研究により薬剤耐性株や新型ウイルスの事前出現予測が可能になれば、その蔓延を未然に防ぐ戦略的感染対策の構築につながる。
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研究成果の概要 |
インフルエンザウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼはウイルスゲノム複製の際にエラーを生じやすい。ウイルスポリメラーゼサブユニットの1つであるPB1上の66番目のアミノ酸がロイシン(L)からバリン(V)に変異した株(PB1-L66V)は複製エラーが減少し、生ワクチンに搭載されている弱毒化変異の解消を生じにくくすることが示唆された。PB1上の82番目のアミノ酸がチロシン(Y)からシステイン(C)に変異した株(PB1-Y82C)は複製エラーが増加し、ウイルス集団中で優勢にはならないが低い頻度で集団中に存在することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルスポリメラーゼサブユニットの1つであるPB1の変異体であるPB1-L66Vは複製エラーが減少するため、安全な生ワクチン開発といった医学的応用が期待される。一方で複製エラーを生じやすいPB1-Y82Cは高効率に変異を導入しやすい性質により、ウイルスの進化に寄与すると考えられる。このような変異を生じやすい酵素自身が何らかの宿主因子と相互作用を受ける中で発現量を調節されている可能性も考えられ、今後そのような分子の同定が期待される。
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