研究課題/領域番号 |
20K18922
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 富山県衛生研究所 |
研究代表者 |
金谷 潤一 富山県衛生研究所, 細菌部, 主任研究員 (80463131)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | レジオネラ |
研究開始時の研究の概要 |
現在普及しているレジオネラ症診断用の尿中抗原検査試薬は、レジオネラ・ニューモフィラ血清群1(Lp1)以外の菌種・血清群に対する感度は著しく低い。そのため、Lp1以外のレジオネラ属菌に感染している患者は把握されていない。本研究では、前向き調査により潜在的なレジオネラ症患者を積極的な喀痰培養検査によって診断し、国内における実際のレジオネラ症患者の罹患率を推計する。また、患者実態の把握を通じて、これまで不明であったLp1以外を原因菌とするレジオネラ症患者の感染源を解明する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、潜在的なレジオネラ症患者を積極的な喀痰培養検査によって診断し、その患者実態の把握を通じて、感染源を明らかにする。国内における届出患者の診断の大半が尿中抗原検査によるものであるが、従来の尿中抗原検査試薬はLegionella pneumophila血清群1以外の菌種・血清群に対する感度は著しく低いため、L. pneumophila血清群1以外のレジオネラ属菌に感染している患者は把握されていない。したがって、現在まで、国内において、L. pneumophila血清群1以外を原因菌とする潜在的なレジオネラ症患者の実態はよくわかっていない。 本研究を実施するにあたり、当所における倫理審査委員会の承認を得た。また、レジオネラ症を疑う患者の喀痰を含む呼吸器検体を確保するため、県内2か所の医療機関に協力を依頼し、当該医療機関における倫理審査委員会の承認を得た。 2012年以降に当所に搬入された呼吸器検体(189症例201検体)について、レジオネラ属菌検査の結果を解析した。尿中抗原によってレジオネラ症と診断された177検体のうち、65検体(36.8%)から菌が分離され、すべてL. pneumophila血清群1であった。一方、尿中抗原が陰性であったレジオネラ症疑い患者から採取された24検体のうち、2検体からL. pneumophila血清群2が分離された。したがって、L. pneumophila血清群1以外を原因菌とする、従来の尿中抗原検査では診断できない潜在的なレジオネラ症患者の存在が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医療機関の協力を得るのが遅れ、研究体制の構築に時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
得られた呼吸器検体について、積極的に培養検査や遺伝子検査を実施し、検査診断の確定に取り組む。臨床分離株と当所に保存してある環境分離株の系統解析を実施し、患者の行動調査と合わせて、とりわけLp1以外を原因菌とするレジオネラ症患者について、その感染源を解明する。また、喀痰検体のメタゲノム解析を実施し、尿中抗原陰性の肺炎患者の病因物質を特定する。
|