研究課題/領域番号 |
20K18924
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
白井 達哉 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (30846473)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ノロウイルス / RdRp / 遺伝子変異 / RdRp |
研究開始時の研究の概要 |
ノロウイルスは世界中で流行する急性胃腸炎の原因であり、流行が繰り返される要因の一つが、高頻度の遺伝子変異やゲノムの組換えによるウイルス側の変化である。 RdRp(RNA依存性RNAポリメラーゼ)はウイルスゲノム複製及びその工程で起こる変異に関わる重要な因子で、多くの遺伝子型に分類される。 本研究では、各遺伝子型RdRpによるゲノム複製時の「変異率」「変異の箇所の偏り」及びこれらの遺伝子型ごとの違いを解析するプラットフォームの構築を目指す。この系を確立することで、流行株との比較により「どういった変異を選択したものが流行につながるのか」を研究する。
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研究実績の概要 |
pRL-SV40ベクターにノロウイルス(NV)遺伝子を挿入したサンプルではウエスタンブロッティング(WB)でRdRpの発現が確認できなかったため(昨年度報告済)、今年度はpcDNA3.1ベクター(CMVプロモーター)を用いたNV全長発現ベクター及びRdRp発現ベクター(遺伝子型はGII.4[P31]とGII.3[P12])を作製した。また、WBに用いていた抗体は大腸菌発現RdRpを抗原として作製したものであったが、抗RdRpペプチドポリクローナル抗体に変更した。これらを用いて以下の実験を行った。 (1)WB: RdRp発現pcDNA3.1ベクターを導入した哺乳類細胞ライセートで標的サイズにバンドが得られた。これは抗His抗体で検出した場合と一致した。NV全長を導入した細胞のライセートにおいても、トランスフェクション1、2、3日後においてpcDNA3.1 ベクターでRdRpの発現が確認できた。(2)フローサイトメトリー解析:抗RdRpペプチド抗体を用いてGII.3[P12]全長を導入した哺乳類細胞について膜透過処理を行い細胞内のRdRp発現を検出することを試みた。コントロールの細胞と比較してRdRp発現細胞を検出できたが、2.8%であった。(3)マイナス鎖RNAを検出するリアルタイム PCR:RdRpによるRNAの複製が行われているか検証するため、マイナス鎖RNAの検出を試みた。論文(Katja Marie Kjara Konigら、2021)を参考にプライマーとプローブを作製した。NV全長を導入した細胞の抽出RNAは、マイナス鎖RNA検出リアルタイムPCRで陽性となったが、RdRpの遺伝子配列の一部を欠損したベクターを導入した細胞においても同様に陽性となったことから、この実験ではRdRpによるRNAの複製の評価は十分ではないと判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画調書に照らし合わせると、RNA複製実験が完了しておらず、核酸解析(シークエンス)を開始することができていない。研究所の移転およびそれに伴う再度の大臣確認実験申請など時間的な制約も発生し、核酸解析に着手できていないため上記の区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
現在の課題は、RdRpによるRNA複製が行われていることを確認することである。RdRpの発現は確認できており、リアルタイムPCRではノロウイルスRNAは検出されている。今年度は、dsRNAを検出する蛍光抗体法、もしくはNorthern blottingによるsubgenomic RNA検出によりRdRpによるRNA複製を確認したい。それができれば、次世代シークエンスによりRNAの配列解析を行う。NV遺伝子全長を組み込んだベクターからのRdRp発現で不十分な場合は、RdRpのみを発現するベクターを別途導入し、発現させる。哺乳類細胞から得られる情報だけで不十分な場合は、全長RNAもしくはサブゲノミックRNAに対して精製RdRpタンパクによる複製を試験管内で行い、その配列を解析する。また、臨床的にノロウイルス陽性患者から得られた各遺伝子型のノロウイルスRNAの遺伝子解析を行い、その変異の特徴について疫学情報を含めて解析する。臨床検体からのノロウイルスのNGSによる遺伝子全長解析を検討する。
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