研究課題/領域番号 |
20K18930
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 由美 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20747456)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 東日本大震災 / 前向きコホート研究 / 心疾患死亡リスク / 震災後の間接死亡の変化 / パーソナリティ / 虚血性心疾患死亡リスク / 間接死亡リスク / コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
震災後の数週間は虚血性心疾患による死亡が増加することは、これまでに多くの報告があるが、長期的な死亡動向は明らかではない。また、震災後には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病等の精神疾患の増加による自殺死亡の増加も懸念されている。本研究では、東日本大震災前から現在まで継続している大規模コホート研究(宮城県コホート・大崎国保コホート)のデータを用いて、震災前の社会経済的要因、生活習慣、心理的要因と死亡リスクとの関連を分析する。本研究により、震災後に死亡リスクが高くなることが予測される対象者を同定することが可能であり、災害後の健康被害を最小限にする予防活動へ貢献することが期待できる。
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研究成果の概要 |
東日本大震災後の心疾患死亡リスクの増加に影響を与える要因を検討するため、震災前から追跡調査を行っている「宮城県コホート研究」の参加者31,069名を対象として、前向きコホート研究を行った。震災後5年間における心疾患の粗死亡率(10万人対)は、震災前年の1年間と比較して、1.4から1.8倍増加していた。また、震災前の健康状態(高血圧、糖尿病の既往)、社会経済的要因(低学歴、未婚)、生活習慣(現在喫煙)、心理的要因(生きがいがない)は震災後の心疾患死亡リスクの増加と有意に関連していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、先行研究と比較して追跡期間も長く、震災後の心疾患死亡に影響する要因として、震災前のさまざまな要因との関連に着目した学術的意義のある研究である。 本研究の結果から、震災後の心疾患死亡リスクには、震災前の健康状態、社会経済的要因、生活習慣、心理的要因が関連していることが明らかとなった。研究結果を基に、震災後に心疾患死亡リスクが高くなることが予測される対象者を同定することが可能であり、災害後の健康被害を最小限にする予防活動や支援策へ貢献することが期待できると考える。
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