研究課題/領域番号 |
20K18953
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 克磨 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90866039)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | Dengue / Climate change / mathematical modeling / Vaccine / Mathematical model / Epidemic / Policy making / epidemic |
研究開始時の研究の概要 |
デングウイルスは初感染では症状は軽度で二回目の感染で重症化することが知られている。デングワクチンを年少児に接種すると重症化を起こす可能性が示唆されている。本研究はデング熱ワクチンの有効な利用方法を論理的に解明し日本及び流行国を含む世界各地における最適な予防接種政策の方針を明らかにする。集団予防接種によりデング出血熱患者数が変化する過程を数理モデルによって記述し、WHOの推奨する検査や費用対効果を検討し、日本における輸入感染症としてのデング熱のリスク評価と最適な予防策を特定する。また本研究では、フィリピン政府の接種中断判断に伴うワクチン忌避運動による、集団全体の生涯リスクに対する影響も推定する。
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研究成果の概要 |
2019年の研究開始時、当初の目標は利用可能なデング熱ワクチンDengue vaxiaの適用戦略を検討することであったが、COVID-19の流行とDengue vaxiaの既感染者への推奨強化に伴い、目標を日本の気候変動下でのデング熱リスクの定量化に変更した。2022年、国内初の気候変動下でのデング熱流行リスク評価の論文を発表。国立環境研究所のMIROCモデルを用いて2100年までのリスクを評価した。さらに、COVID-19ワクチンの免疫保持率推定とデング熱ワクチン効果の推定方法開発にも取り組んだ。補助的に、COVID-19の致死率の時間変動モデルも開発し発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、気候変動下でのデング熱の日本における流行リスクを評価し、将来の対策を検討することである。2014年の東京都のデング熱流行は小規模であったが、気候変動により今後の流行リスクは上昇することが予想される。観察データが少ないため、日本におけるリスク評価は難しい状況であるが、数理モデルの活用により国内発症リスクの評価を可能とした。結果として、高二酸化炭素排出量の気候変動モデルでは、2050年頃から国内のデング熱発生が増加することが確認された。デング熱は蚊媒介で、地域や個人、政府の対策が可能である。流行リスクの上昇する時期は地域により異なり、本研究が対策計画の補助となることが期待される。
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