研究課題/領域番号 |
20K18959
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
辻口 博聖 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00723090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自閉症 / 栄養 / 座位行動 / 活動 / 睡眠 / 児童 / 生徒 / 感覚感受性 / 縦断 / 子供 / コホート / 疫学 / 生体リズム / 子ども |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害(Autistic Spectrum Disorder, ASD)、特に軽度のASD(ASD傾向)の発症が近年増加しているため、その早期発見による予防が重要である。ASD傾向との関連が疑われる発現メカニズムとして、睡眠・覚醒状態といった生体リズムや活動パターンの障害が注目される。本研究では、ウェアラブル・コンピュータによる生体リズム、活動パターンデータ等を用い、ASD傾向診断のための従来の内面的・主観的な方法を超え、早期発見のための全く新しい外形的・客観的な診断法を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム障害、特に軽度の障害(自閉症傾向)の発症が近年増加しているため、早期発見による予防が重要である。自閉症傾向との関連が疑われる発現メカニズムとして、睡眠・覚醒状態といった生体リズムや活動パターンの障害が注目される。本研究では、①ウェアラブル・コンピュータによる生体リズム、活動パターンデータ等を用い、ASD傾向診断のための従来の内面的・主観的な方法を超え、早期発見のための全く新しい外形的・客観的な診断法を開発することを主な目的としている。また②自閉症傾向と密接な関係が考えられている社会的・物理的な環境との相互関係・因果経路を、コホート研究を中心とした時系列解析によって明らかにし、予防法の案出につなげることを目的としている。 過去三年間の新型コロナウイルス感染症の影響により、フィールドでのデータ取得に大きな制約を受けたため、すでに取得している自閉症、自閉症との関連が深い感覚感受性、活動・睡眠計測データをリンクさせ、新たなデータセットを構成、解析することにより目的を達成すること目指してきた。まずは、過去のフィールド調査で得た7-15歳の1276人の児童・生徒の横断データを用い、自閉症傾向と栄養素摂取状態との関連を解析した。その結果、自閉症傾向を有する児童・生徒においては、そうでない児童・生徒と比べ、栄養素摂取量に偏りが観察された。さらに、縦断データを用いてより高いエビデンスで同様の研究成果を得ることもできた。これらの研究成果は、国際論文で発表された。さらに、自閉症児に多く観察される座位行動と栄養素摂取量との関連を縦断解析したところ、座位行動時間の多い児童・生徒において、栄養素摂取量の偏りが観察された。本研究成果は現在国際英文誌に投稿中である。現在は、感覚感受性と生体リズム・活動パターンとの関連について解析を進めており、今後の学会発表や論文の発表に繋げる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去三年間は、新型コロナウイルス感染症の影響により、フィールドにおける住民ベースでのウェアラブル・コンピュータ装着を伴うコホートデータ取得に大きな制約を受けた。そこで、既存のデータをもとにした新たなデータセットを組むことにより、研究目的を達成する方向で進めている。その結果は国際論文2本を発表するとともに、現在は1本を投稿中である。さらに新たな解析も現在進めており、遅れを取り戻しつつある状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の主目的である生体リズム・活動パターンデータを用いて自閉症傾向の早期発見のための新しい外形的・客観的な診断法を開発することに向けて、データベースを整備することができたため、今後はこのデータベースを用いて、自閉症傾向、感覚感受性と生体リズム・活動パターンとの関連を明らかにしていき、学会発表や論文発表を進めていく予定である。
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