研究課題/領域番号 |
20K18970
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
宮脇 梨奈 明治大学, 文学部, 専任講師 (80749028)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ヘルスコミュニケーション / がん予防 / マスメディア |
研究開始時の研究の概要 |
がん予防対策として、生活習慣改善、検診受診等の予防行動促進は重要な検討課題である。その普及・啓発にはマスメディアの効果的活用が有効だと考えられる。そこで、マスメディアからの効果的ながん予防情報発信戦略を構築するため、がん予防情報発信の「適切なタイミング」「発信すべき内容」をWebでの検索行動・つぶやきを分析し特定する。またがんイベント時の「マスメディアの発信情報」と「その情報受信によるがん予防に対する反応」を確認し、がん予防を効果的に普及・啓発する情報のあり方を包括的に検討する。それを元に、がん予防情報発信の手引きを作成し、マスメディア向けワークショップを開催しがん予防情報の増加につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究では、がん予防情報の普及策構築を目的に「いつ」「何を」「どのように」情報発信することが効果的であるのか検討している。 今年度は、予防は依然関心の低いためがん自体への関心が高まる時期の情報発信が効果的であるとし、その時期の特定を試みることで「いつ」の検討を行った。Google Trendを用いて、過去20年間でトレンドが立った時期に絞った再解析を行い、その時期の関連語彙やトピックを抽出した。同時に、その時期前後1週間を含め新聞・Webのがん関連記事を抽出し内容分析を行った。また、一般成人2,000名を対象とした情報探索行動についてのアンケート調査のデータより、どのような時にがん情報を探索したか、どのような内容を探索したかを確認した。それぞれの結果を併せ、関心の高まる時期をふまえた情報発信のタイミング「いつ」について検討した。 また、「どのように」発信するかについては、使用する情報源に焦点をあて、アンケート調査により、がん情報探索者の使用している情報源およびその情報源を使用している探索者の特徴を検討した。また、情報非探索者に情報を届ける手段としてのマスメディアの有用性について信頼と日常的なメディアへの曝露の視点から検討した。がん関連の各種取得情報内容や、接触した各種がん関連イベント・出来事とがん予防の認識、知識、行動意図、および行動との関連を分析し、どのような情報が国民のがん予防に影響を及ぼす可能性があるのかも検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1年目、2年目に予定していた研究の遅れが3年目にも影響している。また、人々の情報取得とその関連要因や、情報取得が知識・意図・行動へ与える影響を検討するにあたり、COVID-19パンデミックにより研究計画当初に想定していたこと以上に考慮すべきことが増え、その検討も必要であった。がん予防情報発信の手引きの作成や、マスメディア向けのワークショップを開催は、研究成果が十分に整っていないため、個別の意見交換にとどまった。そのため、研究期間1年延長し、検討途中である発信すべき内容およびその結果をふまえた情報発信の仕方に関する研究を進め、成果を発表し、社会還元も検討していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、研究計画の実施順が変更となったが、Twitterにおいて、がん予防について、どのような人が、どれくらい、どのような内容を発話したか、発話内容の正誤等を量的分析および内容分析することで、「何を」発信していく必要があるのかを検討する。さらに、どのような文脈において発話したかやリツイート状況について分析することで、情報内容・表現等の観点から「どのように」発信することが効果的であるかを検討する。その上で、これまでの研究と併せて「いつ」「何を」「どのように」発信することががん予防の普及・啓発につながるのかをまとめ、成果発表や社会還元につなげる。
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