研究課題/領域番号 |
20K18973
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構本部(総合研究センター) |
研究代表者 |
井上 紀彦 独立行政法人国立病院機構本部(総合研究センター), 診療情報分析部, 主任研究員 (60867068)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 疫学 / 小児 / DPC / 先天性心疾患 / 多変量解析 / 予測モデル / Lasso回帰 / データベース / リアルワールドデータ / ビッグデータ / 心臓外科 / 小児科 / リスクスコアモデル |
研究開始時の研究の概要 |
DPCデータのICD-10コードに基づく入院時傷病名や合併症、医療行為、手術難易度を結合したデータセットから、予後予測に有用な因子を特定して、小児入院患者のリスクスコアモデルを構築する。モデルの予測能に関して統計学的な精度・有用性の検証を行う。期待される成果として、成人と疾病分布や診療行為の内容が異なる小児科領域において、予後予測やリスク層別化に必要なバイアス・交絡の調整手段を提供する。
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研究成果の概要 |
DPCデータから18歳未満の小児入院患者を特定して、先天性心疾患の周術期の予後予測リスクスコアモデルを構築した。Lasso回帰による変数選択後、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、XGboost、ディープニューラルネットワークによる性能比較検証した。Lassoロジスティック回帰が最も高い予測性能を示し、先天性心疾患手術患者の予後予測に有用な変数を特定した。精度の良い予後予測は術前評価や治療方針決定に有用な情報となる。またDPCデータを用いることを念頭に構築したデータ処理フローやモデル選択の知見は他疾患領域研究への適用も積極的に行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回はLassoで変数選択を行ってからの古典的なロジスティック回帰がもっとも良い性能を示し、小児の先天性心疾患手術で高リスク因子となるものを特定できた。統計モデルはデータの内容によっては複雑な機械学習やディープニューラルネットワークよりも優れていることが知られているが、レセプトやDPCのような診療報酬データは0と1など離散的な整数が主のスパースなデータ構造をしており、ロジスティック回帰のような古典的な統計モデルが力を発揮すると考えられた。診療報酬データは日本全国共通の規格であるため、ロジスティック回帰のようなよく知られた計算コストの低い手法で解析を行えることは社会的意義も高いと考えられた。
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