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法医学的診断基準の確立に向けた炭素鎖長の異なる塩化ベンザルコニウムの毒性機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K18980
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58040:法医学関連
研究機関三重大学

研究代表者

関島 秀久  三重大学, 医学系研究科, 助教 (60792447)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード塩化ベンザルコニウム / 炭素鎖長 / 致死量 / 体内動態 / 臓器傷害 / 急性肺傷害 / 細胞死 / 生体内動態 / 臓器特異性 / 組織学的評価 / LC-MS/MS / 薬毒物中毒 / 急性毒性 / 陽イオン界面活性剤
研究開始時の研究の概要

法医実務では、消毒剤として繁用される塩化ベンザルコニウム(BAC)の経口摂取を原因とした急性中毒死がたびたび報告される。しかし、BAC中毒時の毒性発現機序の詳細は明らかになっておらず、死因の特定に難渋することがある。BAC消毒剤の主成分は、炭素鎖(C)12およびC14を有するBACである。In vitro実験系の先行研究では、C14を有するBACはC12と比較して低濃度で毒性を発現し、かつ臓器に高蓄積性であると示唆されている。本研究では、C12およびC14を有するBACの体内動態と臓器傷害性を比較し、BACの毒性発現機序と炭素鎖長との関係性を明らかにする。

研究成果の概要

本研究では、C14の炭素鎖を有する塩化ベンザルコニウム(BAC)がC12の炭素鎖を有するBACと比較して低濃度で毒性を発現すると仮説を立て、BACの体内動態と臓器傷害性を炭素鎖間で比較検証した。その結果、BACの体内動態や臓器傷害性は炭素鎖間で同等であり、本研究の手法では仮説通りの結果を得ることができなかった。一方、研究遂行の過程において、プログラムされた細胞死の一種であるアポトーシスを伴う急性肺傷害をBAC経口摂取後の新たな中毒機序として見出した。これらの成果は、BAC中毒死の法医学的診断基準の確立のための基礎的情報になると考えられる。

研究成果の学術的意義や社会的意義

塩化ベンザルコニウム(BAC)の経口摂取を原因とした中毒死の法医学的診断法は確立されていない。中毒死の診断法の確立のためには、BACの毒性機序の詳細を明らかにする必要がある。本研究で得られた成果は、BAC経口摂取後の毒性機序の理解を一層深めるものであり、法医実務に応用可能な診断基準の確立のみならず、急性中毒時の新たな治療法の確立のための基礎的知見として有用であると考えられる。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Toxicologic pathological mechanism of acute lung injury induced by oral administration of benzalkonium chloride in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Sekijima Hidehisa、Oshima Toru、Ueji Yuno、Kuno Naoko、Kondo Yukino、Nomura Saera、Asakura Tomomi、Sakai-Sugino Kae、Kawano Mitsuo、Komada Hiroshi、Kotani Hirokazu
    • 雑誌名

      Toxicological Research

      巻: - 号: 3 ページ: 409-418

    • DOI

      10.1007/s43188-023-00178-0

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 食物摂取が塩化ベンザルコニウム中毒死にもたらす影響2022

    • 著者名/発表者名
      関島秀久 , 杉野香江 , 大島徹 , 倉田智美 , 丹野美佐子 , 原晶子 , 向井陽子 , 河野光雄 , 駒田洋 , 小谷泰一
    • 学会等名
      第44回日本法医学会学術中部地方集会、第69回日本法医学会学術近畿地方集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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