研究課題/領域番号 |
20K18981
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
眞鍋 翔 関西医科大学, 医学部, 助教 (00794661)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | DNA鑑定 / 法医学 / 人工知能 / アーチファクト / 混合試料 |
研究開始時の研究の概要 |
法医学分野におけるDNA鑑定で扱われる試料は一般の科学実験とは異なり、複数人のDNAが混合した試料や量的に極めて少ない試料であることが多い。このような試料では、検査システムの都合上検出されてしまうアーチファクトを人の手で鑑別することが求められる。しかし、近年急速に進むDNA検査技術の高感度化に伴い、極微量のDNAに由来するシグナルとアーチファクトの鑑別が困難となってきた。そこで本研究では、DNA鑑定で検出されるアーチファクトを人工知能(AI)が判断するツールを構築し、人の主観的判断に依らないDNA鑑定を実現させることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、DNA鑑定で検出されるアーチファクトを機械学習の一手法であるランダムフォレスト法により識別できるか検討した。使用するデータは、単一個人のDNA試料(350例)および2人から4人までのDNA混合試料(180例)から得られた全ピーク(43,158個)とした。全ピークの3/4を訓練データ、1/4をテストデータに振り分け、Pythonのライブラリscikit-learnを用いて機械学習を実施したところ、訓練データとテストデータの正解率はそれぞれ100%、約98.9%と非常に高い値が得られた。また、両データの正解率にほぼ差はなく、明らかな過学習は観察されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA鑑定で扱われる試料は、複数人のDNAが混合した試料や量的に極めて少ない試料が多く、ヒトDNA由来のシグナルとアーチファクトを人の手で識別するのは困難である。本研究を通して、AIと既存のソフトウェアを組み合わせることで、人の手を介さなくても高精度でアーチファクトを判定できるようになった。もちろん、AIで100%正しく判定できるわけではないので、専門家によるレビューは欠かせないが、本研究成果は客観性が強く求められるDNA鑑定実務に大きく貢献できると考えられる。さらに、客観性の高いDNA鑑定が普及し、DNA鑑定の証拠能力が上がれば、犯罪立証だけでなく犯罪抑止にもつながるものと期待される。
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