研究課題/領域番号 |
20K18982
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
堤 博志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50849114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 法医学 / 法中毒 / GABAA作動薬 / バイオマーカー / 過量服薬中毒 / 解糖系代謝物 / 薬物中毒 / 解糖系 / ジアゼパム / アストロサイト / GAPDH / 呼吸中枢抑制 / ベンゾジアゼピン / オピオイド |
研究開始時の研究の概要 |
法医診断をするうえで薬物中毒死を客観的に診断する中毒の指標は原因薬物の濃度のみである。しかしオピオイドによる呼吸中枢抑制はベンゾジアゼピン類を併用することにより、単剤で摂取するときよりも少ない量で生じるため、オピオイドとベンゾジアゼピン類が同時に遺体より検出された場合、薬物がどの程度死因に寄与したのかの推定は困難である。本研究では実験動物を用いてオピオイドとベンゾジアゼピン類をそれぞれ単剤で、または併用投与した薬剤性呼吸中枢抑制ラットモデルを作製し、生理学的に呼吸状態を観察し、髄液中の神経伝達物質濃度を測定することで薬剤性呼吸抑制を反映する神経伝達物質を明らかにする。
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研究成果の概要 |
過量服薬による中毒の有無や程度の推定は、事件や事故の解明に非常に重要である。催眠鎮静薬であるGABAA作動薬は、多くの事例で検出されており、薬物濃度以外の客観的な指標が存在すれば、中毒推定において非常に有用である。 新たな中毒指標を探索した結果、解糖系代謝物である2,3-Bisphosphoglycerate、Dihydroxyacetone-phosphate、Glycerol-3-phosphate、Sedoheptulose-7-phosphateが、GABAA作動薬であるジアゼパムの投与により減少する可能性および解糖系の酵素であるGAPDHの発現量が増加することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタボロミクスおよび生化学的な実験により、GABAA作動薬をアストロサイト細胞株に投与すると解糖系に変化が生じることが見出された。この研究成果は、過量服薬による中毒の推定において新たな手がかりを提供し、法医学の発展に寄与することが期待される。解糖系とGABA作動薬との関連性を明らかにすることで、中毒推定の客観的指標を構築する新たな道が開かれるであろう。
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