研究課題/領域番号 |
20K18983
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
池松 夏紀 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20848410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腐敗性揮発成分 / エタノール死後産生 / ガスクロマトグラフ質量分析装置 / GC-MS/MS / 法医剖検例 / ガスクロマトグラフ/水素炎イオン化型検出器 / GC-FID / GCMS / 死後産生揮発成分 / GC-FID |
研究開始時の研究の概要 |
法医剖検試料中のエタノール濃度は死因を鑑定する上で極めて重要な情報で、腐敗事例においても同様である。しかし腐敗事例では死後のエタノール産生を考慮せねばならず、定説として、腐敗の指標にn-プロパノールがよく用いられている。しかし日常業務では腐敗事例であっても必ずしもn-プロパノールが検出されないなど、それのみでは死後産生の判断が難しい場合がある。 本研究では腐敗剖検試料中の揮発成分を網羅的に定量、統計学的解析し、n-プロパノールの再評価と、腐敗指標としてより適した代替成分がないかを探索する。そして事例背景に照らし検出成分をまとめることで、エタノール死後産生の評価に有用な情報を還元できると考える。
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研究成果の概要 |
腐敗事例のエタノール分析では,エタノール死後産生の指標として使われているn-プロパノールが必ずしも検出されず,飲酒の判定に苦慮することがある.本研究では剖検例の大腿筋肉を対象に,n-プロパノールの再評価と,より指標に適した代替成分の探索を行った.その結果,n-プロパノールの有無は腐敗指標としては有用である一方,検出される割合は低いことが分かった.またエタノール/アセトアルデヒド濃度比が飲酒判定の基準として利用できる可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
法医学の教科書では,エタノールの死後産生は同時に検出されるn-プロパノールによって判断出来ると記述されているが,実務ではn-プロパノールの検出がない,あるいはとても微量で,その定量値による飲酒判定は困難な場合が多い.今回の成果によって,n-プロパノールを腐敗指標として使うことの有用性とその限界が示された.また,n-プロパノールに代わる飲酒判定の基準としてエタノール/アセトアルデヒド濃度比が利用できる可能性が示唆された.解剖死体の生前飲酒を誤って解釈しないために有用な研究成果となった.
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