研究課題/領域番号 |
20K18991
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
豊間根 耕地 科学警察研究所, 法科学第一部, 研究員 (70845362)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 個人識別 / CRISPR / 微生物叢 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでに、真正細菌の保持する繰り返し配列であるCRISPRの配列情報を解析することで、微生物叢中のCRISPR配列の多様性が個人間で異なることを明らかにした。法科学領域においてはある個人の皮膚の微生物叢と、その個人が触れた面の微生物叢を照合することで個人の識別を目指す研究が進められているが、付着面が環境に曝露されることで微生物叢の構造に変動が生じる。本研究においては皮膚上の微生物叢が保持するCRISPRの多様性が環境への曝露でどのように変動するか明らかにし、環境に曝露された劣化試料でも解析が可能な新規微生物叢解析法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
研究代表者らが開発した微生物叢解析法であるメタCRISPR解析法を用いて、DNA型鑑定が困難な超微量試料でも微生物叢解析による個人識別が可能か明らかにすることを目的として、模擬的な試料をヒトDNA型検査とメタCRISPR解析でそれぞれ解析した。その結果、ヒトDNA型検査で型情報を全く得られない試料において、メタCRISPR解析では対照と類似する結果が得られた事例が確認された。このことから、ヒトDNA型検査による個人識別が困難な試料でも、メタCRISPR解析を行うことで個人識別が可能になると期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮膚の表面にはヒトDNAより多量の微生物DNAが存在していると考えられており、ヒトDNAが十分に採れない場合の個人識別を目的として、これまでに各国で微生物叢の保持する遺伝情報を用いた個人識別法の開発が試みられてきた。しかし、試料中に含まれるDNA量が微量な場合に、微生物DNAを利用した個人識別が一般的なヒトDNA型検査と比較してより有効であることを実証した研究は例がない。本課題で検証した結果、前課題で開発したメタCRISPR解析はヒトDNAがほとんど含まれない試料でも個人識別が可能な場合があることが明らかになり、微生物叢の保持する遺伝情報の有用性を示すことができた。
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