研究課題/領域番号 |
20K18999
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
浦井 珠恵 富山県立大学, 看護学部, 講師 (20808670)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 褥瘡 / 再発予防 / 局所ケア / 創閉鎖部 / リモデリング / ずれ力 / 創閉鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
褥瘡は治癒に至っても同部位へ再発することがあり、患者の大きな負担となる。褥瘡の治癒判定時期と創閉鎖部組織の成熟時期との間にタイムラグが生じている現状に着目し、創閉鎖後に生じるリモデリング過程を評価する指標が必要であると考えた。これまでに研究代表者は、「リモデリング過程を経時的に評価可能なパラメーターの選定」と「動物モデルを用いたバイオマーカーの組織学的検討」を実施した。本研究では双方の結果を踏まえ、褥瘡の創閉鎖部から検出されるコラーゲン量の経時的推移ならびに再発の有無による検出量の違いを明らかにする。本研究は褥瘡が治癒した入院患者を対象とする。
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研究実績の概要 |
適切な体圧分散寝具や低摩擦係数の被覆材を使用しても、褥瘡再発割合は31.8 %であり(自験データ)、再発を防ぎきれない現状がある。ずれ力では圧力の1/2の力で血管が閉塞するため、骨突出部にかかるずれ力の軽減が再発予防に重要である。骨突出部にかかるずれ力を指標に褥瘡予防ケアを評価することを最終目標とし、まずはベッドサイドで使用可能なずれ力の測定機器を開発する。 ずれ力を客観的に評価する従来の手法としては、有限要素法もしくは簡易式測定器がある。有限要素法は対象部位の骨や筋肉の形態をMRIで撮影する必要があるため、臨床で適用するには患者に身体的・経済的な負担がかかる手法である。一方、既存の簡易式測定器は骨突出部を覆うにはセンサのサイズが小さく、センサと測定器はケーブルで繋がれていることで煩雑さがあった。以上より、従来の手法では骨突出部にかかるずれ力をベッドサイドで測定することは困難であり、ずれ力測定機器開発のニーズは高い。
寝たきり高齢者の殿部モデル作成 寝たきり高齢者殿部モデルを作成した先行研究(Matsuo J et al. J Tissue Viability, 2011)を基に、側臥位への体位変換が可能な寝たきり高齢者殿部モデルを作成することとした。Matsuoらの先行研究では骨盤模型にゲルを貼付することで寝たきり高齢者の殿部モデルを成形していたが、寝たきり高齢者の過去の症例(Urai T et al., 2019)における皮膚の厚み(表皮から仙骨まで)は約4 mmであったことから、骨盤模型の仙骨部にポリウレタンフォーム素材の救急絆創膏を貼布した状態で体圧を測定した。体圧分布図上では仙骨部の骨突出が再現できてはいたが、得られた値を先行研究の殿部モデルと比較したところ、接触面積が先行研究よりも小さく、最大体圧値も寝たきり高齢者の殿部モデルとして妥当とは言えない結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は療養病棟を有する一般病院で調査を行う計画を立てていたが、新型コロナウイルス感染症予防のために調査施設への立ち入りが難しい状況が続いた。そのため、本研究課題の評価方法ならびに研究スケジュールを再検討したため。
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今後の研究の推進方策 |
寝たきり高齢者の殿部モデル作成 皮膚と筋肉を模したゲルを作成し、骨盤模型に貼付する。その後、荷重負荷装置をベッドに設置した際の体圧分布と参考文献の分布とを比較することで、モデルの評価を行う。
三軸力センサによるずれ力の測定 市販の三軸力センサ1個を用い、体位変換(仰臥位⇔側臥位)の動作で仙骨部・大転子部・肩甲骨部・踵部にかかるずれ力を測定する。今年度のプレ実験で、普通体型では仙骨部や大転子部の骨突出が著名でないことで測定値を得ることが困難であることが判明した。そのため、普通体型の対象者では肩甲骨部もしくは踵部の測定を第一選択とする。
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