研究課題/領域番号 |
20K19007
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 和洋女子大学 |
研究代表者 |
竹内 久美子 和洋女子大学, 看護学部, 教授 (80453455)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 看護管理 / 人的資源管理 / キャリア発達 / 組織コミットメント / 人材育成 |
研究開始時の研究の概要 |
個人の社会化を連続性のあるものと捉え検討していくためには、看護基礎教育に代表されるように長期間の予期的社会化が存在しており、入職前からの時系列変化を検討する必要がある。さらに、入職前から組織社会化のひとつである適応を促進するためには、この入職前からの組織適応プロセスを明らかにするとともに、入職前の要因がいかに入職後の組織適応に影響をおよぼしているのか解明することが求められている。 本申請課題では、看護基礎教育という特徴的な予期的社会化をふまえ、入職前からの看護師の組織適応の動的なプロセスを解明することである。
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研究実績の概要 |
看護師の養成には、3~4年間の看護基礎教育の期間があり、その中で講義・演習・実習という形式で、看護学教育が行われている。看護基礎教育は、予期的社会化の期間と捉えることができる。看護師は、この長期の予期的社会を経て看護師となるという特徴がある。この予期的社会化が、看護師としての初期キャリアに影響をおよぼすことは実証的に明らかにされている。長期の予期的社会化に影響をうけた初期キャリアでは、さらに初期キャリアの職業上の経験がその後の職業との関わり方に影響すると予測される。そこで、初期キャリアの職業経験に焦点をあて、初期キャリアのいかなる職業上の経験が、その後の長期的なキャリアに影響するのかについて明らかにすることが必要であると考えた。そのため、本研究では入職後1年間を終了した時期に、初期キャリアに影響した職業上の経験について3名の新卒看護師を対象としてインタビュー調査を実施した。その結果、『省察的実践』がコア概念として抽出され、その中に【対話による内省】【不足への気づき】【能力獲得への模索】【新たな工夫】が含まれていた。さらに『省察的実践』を促進する要素として、【病棟に支えられているという感覚】【モデルとの出会い】が抽出された。また『省察的実践』を体験することで、【成長の実感】【課題の発見】【将来の見通し】が醸成されていた。 これらのことから、職業上で省察的実践を繰り返し、初期キャリアを発達させていていくこと考えられ、省察的実践の経験が重要であることが示唆された。そのため、予期的社会化である基礎教育の中でも、省察的実践を体感できるような教育的なしくみ意図的に組み入れていくことの必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍という事情もあり、病院で就業している看護師を対象とした調査が円滑に進まず、予定より遅れている。そのため、方法を変更し社会化における看護師のキャリア発達について検討している最中である。
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今後の研究の推進方策 |
入職後1年間の職業上の体験については今回の調査により具体的に明らかとなった。しかし、今回の調査対象者は3名であり、一般化するためにはさらにデータを収集していくことが必要である。また、明らかとなったのは入職後1年間であるため、その後今回コア概念として抽出された『省察的実践』について、発展・進化していくのか不明である。そのため、今後縦断的またはキャリア段階別横断調査等を実施していく必要がある。
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