研究課題/領域番号 |
20K19020
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
水嶋 好美 (青木) 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70781376)
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研究期間 (年度) |
2021-02-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 看護師 / 看護学生 / 共感特性 / 視点取得 / 共感 / 看護 / 教育プログラム / VR / 動画 |
研究開始時の研究の概要 |
医療現場において、高齢化や医療の発展に伴う患者の社会的背景や疾患の多様化によって、医療従事者のなかでも特に看護師の共感的かかわりが一層求められている。看護師に求められている共感は患者への精神的ケアの遂行だけでなく、専門的な指導や意思決定支援をする上でも重要である。そのため、看護学生に対して共感を教育することは必要不可欠と言える。しかし、共感という抽象的な概念は評価が難しく、効果的な共感教育プログラムは明確に示されていない。本研究は、Virtual Reality技術を用いた教育コンテンツ開発に向けて看護学生を対象とした共感教育プログラムを作成することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、Virtual Reality(VR)技術を用いた教育コンテンツ開発に向けて看護学生を対象とした共感教育プログラムを作成することを目的とする。①看護学生の共感特性を確認、②レディネスに合わせた共感能力の教育プログラムのシナリオを作成する、③そのシナリオを用いてVRに近い視点で撮影できるアクションカメラを用いて作成した動画でプログラムの有用性を検討する。 看護師、看護学生の共感特性を評価するための臨床対人反応性指標は、国際誌に掲載された。また国際学会で発表する予定である。今後、他国で臨床対人反応性指標の信頼性と妥当性が検証されれば、①で確認された看護学生の共感特性は他国と比較することが可能となる。日本の看護師の共感特性について、さらに理解が深まる可能性がある。 ①については日本語に翻訳されているJefferson Empathy Scaleを用いることとした。このスケールを用いることで、結果を国際的に比較することができる。また、シナリオを作成して漫画にしており、その内容が妥当か確認する予定である。 ②については日本の看護師の共感特性について、非看護師の市民の共感特性と比較した。その結果、共感特性のうち、認知的側面である視点取得が重要であることが改めて明らかになった。この結果は、学会誌に投稿中である。 COVID-19の影響によって研究は多少遅れているものの、2022年度に実施するために必要な準備は整えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により、変更した点もあるが概ね順調である。 ①看護学生の共感特性の確認は、岡山大学と浜松医科大学の看護学生を対象として、オンライン質問紙を実施する予定である。既に倫理審査は受理されているが、COVID-19の感染状況、学生のスケジュールを考慮し、2022年5月に実施する予定である。 ②レディネスは、①によって明らかにされる予定である。2022年度中に患者が評価する共感的かかわりについても取り入れて、Reynolds empathy scaleのシナリオをもとに評価指標を作成する予定である。 ③COVID-19の感染状況によって、アクションカメラよりも、VRの方が効果的である可能性があるため、漫画によってシナリオを作成し、既存の教材のVRを用いた学生の反応をインタビューもしくは質問紙の自由記述によって明確にする。2022年12月~2023年3月に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
①看護学生の共感特性の確認は既に実施するのみとなっており、実施後、学生の回答を分析して論文を執筆する予定。 ②シナリオの作成は、①の結果を踏まえて作成する。患者が評価する共感的かかわりについても取り入れる。 ③②のシナリオを漫画にして、学生に確認すると同時に、VRを使用した学生の反応(感想)をインタビューもしくは質問紙の自由記述で収集する。収集したデータは質的記述的に分析し、論文を執筆する。
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