研究課題/領域番号 |
20K19026
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
勝沼 志保里 宮城大学, 看護学群, 講師 (10794323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 災害 / 応急仮設住宅 / 循環器疾患 / セルフモニタリング / 看護援助モデル / 看護支援モデル / 仮設住宅 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自然災害により住まいを失い、応急仮設住宅に暮らす循環器疾患をもつ人のセルフモニタリングを促す看護援助モデルを開発する。循環器疾患は、ストレスや生活環境の変化により影響を受けやすく、災害後の発症者数の増加や災害関連死の主な要因となっている。特に、仮設住宅では生活と健康を支える支援者が減少し、新たな生活環境の中で自身で病状管理していくための援助が必要である。このため、仮設住宅に暮らす循環器疾患をもつ人のセルフモニタリングを構造化し、先行文献およびセルフモニタリング構造の要素をもとに必要な看護援助を抽出し、専門家の妥当性の検討を踏まえ、看護援助モデルを作成する。
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研究実績の概要 |
本研究は、応急仮設住宅で暮らす循環器疾患をもつ人のセルフモニタリングパターンを明らかにし、災害支援活動を担う看護職者が循環器疾患をもつ人のセルフケアの自立を目指して行う、看護援助モデルの開発を目指す研究プロセスの一部である。研究協力者9名のインタビューから、災害後の時間経過に伴う暮らしの変化の3つの時期毎に、災害によって影響を受けたセルフモニタリングのタイプの変化と病状の経過を抽出し、【関心事解決による取り戻しパターン】、【生活再建に伴い取り戻しつつあるパターン】、【新手段獲得が必要なパターン】の3つのセルフモニタリングパターンを明らかにした。 看護援助モデルの開発に向けて、災害後の日常の再開の時期にある病状の経過を各パターンの帰結とし、病状経過が良好であったパターンを目指して、看護援助モデルの目的を『災害の影響を受けている慢性病者のセルフモニタリングに着目した支援により、応急仮設住宅で暮らす慢性病者が災害時および生活再建後もセルフケアが自立すること』とした。また、セルフモニタリングのタイプ及び、各パターンの特徴から課題を見出し、各パターンにおける看護が目指す方向性としての看護指針を設定した。さらに、それぞれの看護指針に対して活用できる具体的な方略としての看護援助を文献検討により明らかにした。この結果をもとに看護援助モデルを考案した。 甚大な被害を及ぼす災害の場合は多くの外部支援者の援助を必要とする。災害支援に携わる看護職は援助を必要とする被災者の病状や経過を十分に把握することは困難であり、迅速かつ被災者の病状を把握し看護介入が求められる。このため、本モデルは、循環器疾患をもつ人のセルフモニタリングに着目し、被災者のセルフケア能力を活用しつつ、必要な看護援助を判断する指標や指針となり、限られた人的・物的資源や時間の中でも効果的に援助することに寄与できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始年度からの新型コロナウイルス感染症の流行によるデータ収集の遅れから、研究全体の進捗に遅れが生じている。2022年度までに予定していた、災害看護および慢性疾患看護における専門家や実践家へのインタビューによる試案した看護援助モデルの妥当性、実践可能性の検証までに至っておらず、2024年度も延長した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度が最終年度になるため、考案した看護援助モデルの妥当性の検証およびモデル修正に向けて、災害看護支援および慢性疾患看護の経験をもつ看護職者5名程度にのヒアリングを行う。2024年6月に所属機関の研究倫理専門委員会に申請し、7月から9月にかけてデータ収集、10~12月にデータ分析を行い、看護支援モデルを修正する。
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