研究課題/領域番号 |
20K19045
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 札幌市立大学 (2021-2023) 北海道大学 (2020) |
研究代表者 |
平山 憲吾 札幌市立大学, 看護学部, 助教 (40779469)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 進行がん / 高齢者 / 化学療法 / 意思決定 / 家族介護者 / 高齢がん患者 / がん患者 |
研究開始時の研究の概要 |
化学療法を受ける高齢がん患者は、有害事象による苦痛や将来的な不安などを抱えることで葛藤しながらも治療を継続しており、看護師もその意思決定場面に十分に関わることができていないという課題がある。本研究では、進行高齢がん患者が化学療法の継続を選択するまでのプロセスについて解明する。そして、医療者が捉える意思決定の促進要因や支援における課題を統合し意思決定支援モデルの構築を試みる。さらに、支援モデルを実践場面で試行し検証することで、進行高齢がん患者の治療継続における決定を支えるための看護援助の内容を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、進行がんを有する高齢患者における化学療法の継続を決定するプロセス、および、患者の意思決定を支える医療者が捉える課題を明らかにすることを目的としている。 2020-2021年度は、化学療法を受ける70歳以上の高齢患者17名を対象として半構造化面接法を用いてデータ収集を行い、治療の継続における判断とその判断に影響を与えた要因について明らかにした。 2022年度は、意思決定プロセスにおいて患者・家族と医療者による共同意思決定が注目されていることからも、高齢患者の家族を対象とした研究を進めた。高齢患者を介護する主介護者は配偶者が多いことから、高齢の配偶者10名から得られたインタビューデータを分析した。配偶者は、自身の健康障害を抱えながらも化学療法の副作用症状への対処に関わるなど、患者が治療を継続できるように生活を再構築し整えている様相が明らかとなった。 2023年度からは、化学療法を受ける高齢患者に関わる医療者を対象にした研究を進めている。現在、化学療法を実施する前には高齢者機能評価(Geriatric Assessment:GA)の使用が推奨されているが、臨床ではあまり用いられていないという現状が明らかとなっており、医療者は自身の経験をもとに支援をしているという現状がある。このことから、患者の意思決定を支援するうえでの医療者の認識について文献レビューを進めている。医療者は、患者は高齢であることから治療に伴う弊害の増大を懸念しており、さらには治療に関わる決断を患者に委ねることへの気がかりがあることも明らかとなった。2024年度は、これらの結果をもとに、医療者の支援状況の実態を進めていくことを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により当初予定していたデータ収集に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
進行がんを有する高齢患者を対象とした研究、および、進行がんを有する高齢患者の家族を対象とした研究は終了している。今後は、医療者を対象とした調査を進めていく予定とする。
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